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約3年前に、ダイエット目的でランニングを始めたという堤智美さん。程なくしてトレイルランニングの世界に引き込まれ、僅かな期間で今年のOSJ ONTAKE 100(100km)において女子総合2位という快挙を成し遂げます。仕事では、現役の万引きGメンとしてテレビ出演を果たすなど、異色の経歴を持つ彼女が山に魅せられた理由とは。

(写真 古谷勝 / 文 onyourmark)

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島根県は出雲の地に生まれ、中学入学とともに陸上の道へ。当時は100、200mの短距離選手として名を馳せ、県大会出場レベルの実力を持つ選手にまでに成長。高校時代は生徒会長を務めるなど、まさに文武両道を地でいく学生時代を過ごしました。一方、同時期に音楽と出会ったことでスポーツと関わる生活から離れるようになります。

「ヴィジュアル系の音楽バンドにハマってしまって(笑)。高校から大学へ進学しても、バンドの追っかけをしていましたし、社会人になってからも、万引きGメンという職に就いて、スポーツの世界からは遠い生活をするようになりました」

その後、音楽好きが高じてフジロックフェスティバルなど、野外音楽フェスティバルへいくことが増え、山の世界を楽しむように。高尾山や奥多摩などを山行するような、軽いトレッキング程度でしたが、これがトレイルランニングを始めるにあたってのベースラインになっていきます。20代後半になると、ダイエット目的にランニングを始め、「山を登っているからトレイルランもやれるだろう」と、同時にトレイルランも取り組むようになり、山を走ることに一気に引き込まれていきます。

「最初のフルマラソンは、2014年のNAHAマラソンでした。4時間57分でなんとか走り、同時に初トレイルレースでROCKIN’ BEAR 黒姫トレイルランニングレースを完走。意外といけるかも、とのめり込んでいきました。WEBマガジン『フイナム』が運営するランニングクラブ『フイナムランニングクラブ』にも参加し始め、同時期にトレイルレースを楽しむ人達と共に切磋琢磨し合いました。気がつけば月間200〜300kmくらい走るようになって、2016年にはフルマラソンのタイムが3時間27分に。SPA TRAILやIZU TRAIL JORNEYといった70kmくらいのミドルレースも上位完走できるようになったんです」

2017年は、飛躍の年となります。経験豊富なトレイルランナーの間でも厳しいレースと言われる、トレニックワールド100km in彩の国を女子総合6位で走破。続いて、まるで“修行”のようなOSJ ONTAKE 100kmにも挑戦。80kmを超えたころから膝に痛みが走りながらも、ただ“楽しい”という思いだけでゴールまで駆け抜けました。結果は11時間20分、女子総合2位という結果を叩き出したのです。ここまできたからには、今後の目標はただ一つ——。

「フルマラソン3時間15分切りも果たしたいですが、何と言っても100マイラーになることが一番の目標。来年のOSJ ONTAKE 100マイルに出たいと思っています。長い距離であればあるほど、レースって楽しい。ただ長い“旅”はどんなことが起こるか分からない。調整ミスが起こると、楽しいレースのはずが台無しになる。だからレースで口に入れるものは全てメモしています。万全の準備をして、レースに挑みたいと思います」

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【名前】堤智美 TOMOMI TSUTSUMI
【生年月日】1982年8月31日
【職業or所属】万引きGメン
【やっているスポーツ】ランニング、トレイルランニング
【instagram】@nyaaaako

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ALTRAのトレイルランニングシューズ
「ずっと我流で走ってきましたが、このシューズと出合ってナチュラルランニングに移行しました。とても足にフィットしていて、回転数を上げてスピードを上げる走り方には最適です」