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美術部出身で、幾多のファッションデザイナーを排出したロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業。卒業後は東京コレクションでも発表を重ねているブランドで、パタンナーとして忙しく毎日を過ごしていた巽朱央さん。そんな彼女が今では、フルマラソンのベストが3時間17分、館山で開催されたトライアスロンでは年代別2位をいう成績を出すほどのスポーツウーマンに変身を遂げました。彼女の人生を変えるまでに至った、トライアスロンの魅力は何なのかを語ってもらいました。

(写真 古谷勝 / 文 onyourmark)

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学生のころから「運動が嫌いだった(笑)」と語る巽さんにとって、本格的にスポーツと出会ったのは30歳のころ。当時はランニングブームにさしかかったころで、彼女自身も体がなまっているような感覚を覚え始めたこともあり、もっているスニーカーをシューズボックスから引っ張り出し、何となく走り始めたのがきっかけだといいます。

「最初はウエアがパジャマ、シューズがコンバースという出で立ちで、2kmランニング(笑)。全身筋肉痛になったんですけど、そこから週に1、2回は走るようになりました。その後、きちんとしたランニングシューズを購入して、半年間ほど続けて。駒沢公園で開催された10kmのミニマラソンに出場すると、51分で完走してしまったことから、自分自身が速いのではないかと感じるようになって、のめり込んでいきました」

一旦ランニングにのめりこむと、「自分との戦いが好きなタイプ」という性格も奏功して、1年後には大阪マラソンを完走。練習内容もビルドアップ走やインターバルなど多様化し、週3回は練習、1年に2回はフルマラソンに出場するようになりました。「マラソンだけでなくもっと挑戦したい」そんな思いを抱え始めたころ、トライアスロンの存在を知ります。

「もともと泳げるし、通勤もクロスバイクだったので、何となく大丈夫かなと思っていました。ロードバイクを購入し、東京体育館でスイムの練習するようになると、当時通っていたショップのスタッフに誘われる形で、練習会に参加することに。場所は通称“尾根幹”と言われる南多摩尾根幹線で、ストイックというよりは、みんなで楽しんでやるという感じで、馴染みやすかったです。そこからは1年かけて練習して、館山わかしおトライアスロンに出場。年代別で2位に入賞してしまったんです。マラソンでは表彰台は難しいけど、トライアスロンならできる。競技としても楽しんでいけるかも、と思うようになったんです」

ライフスタイルが完全にスポーツと一体化し始め、当時の仕事との齟齬を感じるようになった3年前に巽さんは大きな決断をします。現在の職場であるPEARL IZUMIにパタンナーとして転職。かねてより、スポーツウエアのパタンナーとして働きたいという思いをもっていたところ、偶然に話が転がり込んできたそう。しかも、自身が普段から愛用していたブランドということも邂逅といえる出来事でした。その後もスポーツアクティビティに精を出し続け、今年4月に開催された宮古島トライアスロンでは初のロングディスタンスを11時間4分で完走。ただ女子年代別で5位だったため、9月に出場予定の佐渡国際トライアスロンではリベンジで表彰台を狙うそうです。

「パタンナーとしての仕事はこれまでと同じでしたが、スポーツウエアは人間が運動しているときに最適な状態でなければいけないので、とても難しかったのが本音です。ただ自身が作ったものを着用して、不備や改善点があれば自分でフィードバックできるのがいいですね。仕事もそうですが、スポーツにおいてもいくつになっても挑戦していくことをモットーとして取り組んでいきたいです」

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【名前】巽朱央 AKEO TATSUMI
【生年月日】1980年11月18日
【職業or所属】PEARL IZUMI パタンナー
【やっているスポーツ】マラソン、トライアスロン、ウルトラマラソン

お気に入りアイテム

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PORAL V800
「トライアスロンを始めたときに購入しました。トライアスロンだけでなくマラソンなど、どのような運動でも使えるからとても便利です」