こんにちは。12月11日に開催された「IZU TRAIL JOURNEY」に参戦、無事完走しました編集部の海達です。今年のトレイルレースは計8本。年末はゆっくりジョグくらいにしようと思っている年の瀬でございます。

さて突然ですが、みなさんスポーツアイテムを購入するときはどんなショップに行かれますか? 「ART SPORTS」や「OSHMAN’S」(来年2月に原宿店が閉店してしまうのは衝撃でした)、もしくはブランド直営店、はたまた最近は「Run boys! Run girls!」のような個性的なショップで購入される方も多いと思います。とはいえ、やはり「SPORTS DEPO」などの大手スポーツリテーラーに行かれる方も多いのではないでしょうか?

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前置きが長くなりましたが、去る12月9日にその大手スポーツリテーラーの1つ「SPORTS AUTHORITY」を運営するメガスポーツが、海外セレブの間で話題の「空中ヨガ」が体験できるスタジオ「avitystyle麻布十番」をオープンしました。「空中ヨガ」とは、ニューヨークで生まれ海外セレブでも話題になった”ダイエットと健康に効果的”といわれる最新のヨガスタイル。メガスポーツとしては、初の”コト消費型”店舗となります。

同店舗の上層には、フランスの人気冷凍食品専門店の「Picard」、日本ではまだまだ発展の途上にあるオーガニックスーパーマーケットの「Bio c’ Bon」、ヘルスケア商品を扱う「ウエルシア」が入居。「avitystyle」とあわせ、全て流通大手のイオングループ傘下となっており、都市部に住む人々に向けたライフスタイルを提案する話題の場所として注目を集めているようです。

各メディアでは、日本初出店となるオーガニックスーパーの「Bio c’ Bon」が話題ですが、「onyourmark」としては、なぜ小売りだけでも十分に好調な「SPORTS AUTHORITY」が”コト消費”を提案し始めたのかが気になるところです。

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コト消費は将来的に市場のシェアをとるためのチャレンジ

この「SPORTS AUTHORITY」、かつては米スポーツ洋品店の雄だったのですが、今年3月に破産。とはいえ日本事業は好調で、メガスポーツの売上高は前年同期比105%の684億円(2016年2月期)。さらに「SPORTS AUTHORITY」に加え、2013年にはスポーツとファッションの新コンセプトショップ「CORNERS」を出店。現在は27店舗にまで拡大しています。

市場全体を見渡しても、スポーツ用品小売業の売上高合計は1兆38億9000万円(前年同期比2.3%増)で、2期連続で増加(引用元:東京商工リサーチ「スポーツ用品専門店2,887社の業績動向」調査)。一方で、利益の合計は72億8900万円(同37.4%減)と、価格競争の激化などで2期連続減益となる結果となりました。日本の人口減少が顕著となっていくこの先、特にリテーラーにとって、国内のモノ消費だけの提案ではたち行かなくなってきているのが現状のようです。

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好調に推移している、メガスポーツの櫻場恒次・経営企画室グループマネージャーも危機感をもちます。「メガスポーツ全体としては好調ですが、良い状態なときだからこそ攻めの経営が必要です。『avitystyle』はその姿勢を示す例。従来のモノ提案においても『CORNERS』といった新業態も打ち出し、良い評価をいただいています。コト提案としての事業は初めてですが、これはチャレンジ。都会的でインフルエンシャルな女性に向けて独自色を提案していきたい」と話しています。

コト提案の必要性はスポーツ市場全体で求められている

“コト提案”の必要性は、何もリテーラーだけではありません。日本のスポーツメーカーも、新たな姿を求められているといえそうです。大手スポーツメーカーのアシックスは今年発表した新規中期計画で2020年12月期までに売上高7500億円達成を掲げたものの、16年1〜9月期ではこれまで牽引していた北米市場にブレーキがかかり、売上高は前年同期比7%減。業界大手のミズノも北米の不調により減益となっています。

これはあくまで筆者の見解ですが、これまで日本のリテーラーやメーカーでは、「良いモノを作れば売れる」という神話のようなものがあったような気がします。しかし、社会がグローバル化し、情報量とモノの消費量が加速度的に増した今、良いモノが必ずしも売れる時代ではなくなってきたことが顕著になってきたのではないでしょうか? モノの良さを伝えるだけでなく、それをどのようにして使用し、人の生活をどうやってよりよく変えてくれるのか。モノの先にある”ストーリテラー”としての役割が、スポーツ関連企業にも求められているのではないかと思います。