今回紹介するサプリメントのサイズ比較。左から、塩梅水、ファストウォーター、Mag−on(ジェル)、Mag−on(顆粒)、塩熱サプリ(24個入り)

前編では熱中症の仕組みと対応について説明しました。今までなんとなく熱中症対策にはスポーツドリンクで大丈夫という方も多かったかもしれませんが、スポーツドリンクでも熱中症を引き起こす原因の低ナトリウム血症を防げないことがあるということも話しました。

では、炎天下のトレイルランニングのレースのような場合、僕たちはどのような補給をしたらいいのでしょうか?

炎天下のレース時にはどんなサプリメントがおすすめか?
トレイルランニングのレースは、ショートレースでもフルマラソン以上の活動時間を要するものが数多くあり、熱中症の対策がレースでのパフォーマンスに大きく影響してきます。

後編ではレースを想定した補給とサプリメントの紹介をします。

<< 後編 「熱中症の対策とおすすめサプリメント」まとめ >>
・熱中症対策にわかりやすい答えはない
・発汗が少ない状態で、塩分を摂りすぎても喉が渇いたりしてよくない
・状況に応じて「複数のサプリメントの組み合わせ」と「経口補水液」の2パターンを考えよう
・オススメサプリ1:低糖質電解質ドリンク「塩梅水」
・オススメサプリ2:適宜電解質を摂取できる「塩熱サプリ」
・オススメサプリ3:見落としがちなマグネシウムを「Mag−on」で摂取
・サプリの組み合わせで電解質量を調整してみよう
・オススメサプリ4:脱水時や大量発汗時は「ファストウォーター」
・状況に応じた自分なりの対応を見つけられるようになろう

熱中症対策にわかりやすい答えはない?
お店をやっていて思うことは、どんな条件にも対応する魔法のようなギアはないってこと。

熱中症に関しても、何度も言うように、気温、湿度、運動強度、ランナーの体質・体調などさまざまな要素が変化するため、「このサプリメントを〇〇時間に××粒」という、明確な基準があるわけではありません。

逆に言うと、状況に応じて柔軟に対応できれば、パフォーマンスの低下や健康障害のリスクを防げるということです。

それでは、ここから具体的な補給について考えていきましょう。

スポーツドリンクでも低ナトリウム血症になることがあると書きましたが、それでは最初から電解質濃度の高いものを摂取していればいいか?という考えになるのですが、それもケースバイケースです。

実は汗に含まれる塩分濃度は一定ではなく、発汗量が少ない場合塩分は体外に流出せず、体に再び吸収されるのです。なので、発汗が少ない場合にナトリウムを必要以上に摂ると、塩分過多で逆に喉が渇いたり、体がむくんだりもします。

それに対して、後編では電解質摂取の二つの考え方を提案しようと思います。まずは、一つ一つの電解質濃度はそれほど高くないサプリメントの組みわせで、電解質量を調整する方法。ふたつめは、経口補水液という脱水時に水・電解質を補給・維持するのに適した電解質濃度の水分を補給する方法です。

まずは前者のサプリメントの組み合わせの紹介から。ここでは「電解質ドリンク+電解質タブレット+ジェル」の組み合わせで水分摂取と電解質摂取を考えていきます。

オススメサプリ1: ベースの電解質ドリンクは低糖質の「塩梅水」

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まずは電解質ドリンクのチョイスから。

足りない電解質を他のサプリメントで補うのなら、スポーツドリンクを選んでいいと思うかもしれませんが、市販のスポーツドリンクにはもう一つ、多量の糖分が含まれるという問題があります。前編で触れましたが、喉の渇きをスポーツドリンクで補おうとすると、血糖値が上がって喉が渇くため、更にスポーツドリンクを飲んで、水の取りすぎや高血糖を招くという悪循環が起こります。また、血糖値以前の問題で、ランニング中に喉が渇いたので、スポーツドリンクを飲んだら口がベタベタしてしまい余計喉が渇いた、なんて経験を持つ方も結構いるのではないでしょうか?

そもそもレースでは、ジェルなどですでに糖質を摂取している場合が多いですし、ベースとする電解質ドリンクは糖質の少ないものが適していると思います。そんな条件にピッタリはまるのが「塩梅水(あんばいすい)」です。

「塩梅水」の成分は、水500mlに対して、ナトリウム216mg(食塩相当量0.5g)、炭水化物11g。市販のスポーツドリンクと比べると、ナトリウム量が同等で炭水化物は1/3以下です。飲んでみると梅やシソの風味でほんのり酸っぱく、甘さや口のベタつきがないのがスポーツドリンクとの一番の違いです。古くから日本で親しまれている、海塩、梅干し、シソ、てんさい糖を原料として使用し、合成甘味料、着色料、香料を使っていないのも特徴です。合成甘味料を使用している他のものに比べて、長時間使用しても味に嫌気がさしません。

12gの粉末状の小さなパッケージを水500mlに対して溶かして使うので持ち運びも容易。ロングレースで、糖質を抑えながら水分と電解質を摂取したい人にオススメです。

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20包入りのボックスも販売されています。

(塩梅水購入ページ)→http://shop.rb-rg.jp/?pid=105501399

オススメサプリ2:「塩熱サプリ」で適宜ナトリウムを摂取

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「塩熱サプリ(えんねつサプリ)」は、電解質を噛み砕いて摂取する円状のタブレット。ナトリウムだけでなく、カリウム、マグネシウム、カルシウムなど、発汗によって失われたカラダの主要な6種類の電解質(イオン)をベストなミックスで摂取することができます。

一粒あたりの食塩相当量は0.1g、水100mL(紙コップ)1杯に1粒を摂ることで、効率的に水分と電解質を摂取できるバランスになっています。

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一粒のサイズ。写真は24個入りのパッケージです。

摂取する個数で、電解質量を調整できるのがいいところ。ただ、それほど汗を書いていない状況で、ボリボリ摂りすぎると、逆に喉が渇いてしまいます。実際、先日のおんたけウルトラトレイルでも、序盤に塩熱サプリを摂りすぎて喉が渇き、水をたくさん飲んでしまったというランナーの方の声を聞きました。

(塩熱サプリ購入ページ)→http://shop.rb-rg.jp/?pid=105501410

オススメサプリ3: エンデュランススポーツに欠かせないマグネシウムを「Mag−on」で摂取

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熱中症で取りざたされることは少ないのですが、マグネシウムも汗によって失われる電解質です。

マグネシウムは人間の体で3000以上の酵素の補酵素として働き、不足すると人間のほとんどすべての臓器が正常に働かないと言われています。また、筋収縮、酸素摂取、エネルギー産生、電解質バランスなど、運動に非常に関係のある生体機能における重要な働きを担っているため運動中に多く必要とされます。

マグネシウムの流出は汗による体外への流出だけはありません。長時間にわたるトレイルランニングレースの後半は脂質の代謝が高まりますが、マグネシウムはこのとき脂肪細胞でも取り込まれてエネルギー産生のために利用されます。つまり、長距離のトレイルランニングレースでは体の外だけでなく、内側でもマグネシウムが失われているのです。

では、マグネシウムが欠乏するとどうなるか。様々なことが挙げられていますが、運動に直接影響することだと、これまた「攣り・筋疲労」の原因とされています。また、筋肉への酸素供給の減少にもつながるとされています。

マグネシウムの流出量ですが、高温多湿下での運動で1リットルあたり18~60mgの流出が認められているという報告もあります。その割に、実はここまで紹介してきたサプリメントでは、マグネシウムが十分に含まれていないので、別途摂取する必要があります。

数あるサプリメントの中で、マグネシウムにフォーカスしたサプリメントが「Mag−on」です。

「Mag−on」は、約半世紀の歴史をもつマグネシウムの専門メーカー、タテホの高純度の国産マグネシウムを、素早く溶けて、吸収力の高い水溶性に加工したもので、エナジージェルにマグネシウムが含まれたタイプと、顆粒タイプがあります。

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<ジェルタイプ>一般のエナジージェル(120kcal)に水溶性マグネシウムが50mg含まれているので、エネルギー補給と同時にマグネシウム補給ができるのが特徴です。ジェルは一般的なものより少しさらっとしているのと、国産ということもあり飲みやすいという声が多いです。また、1本あたり55mgのナトリウム(食塩相当約0.1g)が含まれています。

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<顆粒タイプ>ジェルを摂らないけれどマグネシウムを摂りたいという方には、スティック状のパッケージに入った顆粒タイプがオススメです。こちらはマグネシウムの摂取のみを目的としていて、1本あたり200mgのマグネシウムを含んでいます。水に溶かさず直接摂取することができます。

僕は2015年の「奥三河パワートレイル」で、顆粒タイプを2時間おきに合計4包使用しましたが、炎天下のきついコースで、レースの序盤から多くの選手が足を攣る中、レース終盤までほぼ足を攣らず、自分的にはベストパフォーマンスで参加者の上位10%以内でゴールすることができました。また、あくまで個人の主観ですが「Mag−on」を摂取して足が攣らなかったという感想を持つランナーの方は結構多いです。

ただし「多量に摂取すると軟便(下痢)になることがあります」という注意書きがされています。個人的に過去のレースで使用して下痢になったことはありませんが、使用の際は頭に入れておいてください。

(Mag-on購入ページ)→http://shop.rb-rg.jp/?pid=105501412

摂取量と塩分量を計算してみよう
前編で、補給のポイントは「水分+電解質の適量摂取」と書きました。体から失われた水分の量に対して、水分摂取が少ないと脱水症状になり、水分摂取が多すぎたり、電解質(ここではナトリウム)の摂取が不足すると、低ナトリウム血症になることも書きました。

水分に関しては、喉の渇きなど体からのサインがあるため、スタート時に十分な量を持ち、エイドステーションなどがしっかりしていれば、あまり不足しないかと思います。逆に必要な電解質の量はなかなか見えません。

それでは、ここまで紹介したサプリメントで、どうやってレース中に電解質量を調整するかイメージしてみましょう(ここでは、ナトリウムの摂取を中心に考えています)。

実際のレース中に、1時間に「塩梅水」300ml、「塩熱サプリ」一粒、「Mag-on」ジェル1本を摂取したとします。これらのサプリメントですが、それぞれ100mlに0.1gの食塩相当量の電解質が含まれます(食塩0.1gにおけるナトリウムは約40mg)。

先ほど摂取した水分300ml中の食塩相当量を計算すると「0.1×3+0.1+0.1=0.5g」となります。この時、水分100ml中の食塩相当量は「0.5/3=0.167g」です。

一般的なスポーツドリンクの100mlあたりの食塩相当量が0.1g、経口補水液(脱水状態の水・電解質を補給・維持するのに適した飲み物)の100mlあたりの食塩相当量が0.3gですので、この時摂取した水分のナトリウム濃度は、スポーツドリンクの1.7倍、経口補水液の半分強となります。

これで足の攣りなどの兆候ができてきたら「塩熱サプリ」を増やせば、ナトリウム量を調整できます。1時間に2個摂取すれば100mlあたり 0.2gの食塩相当量、1時間に3個にすれば100mlあたり 0.23gの食塩相当量となります(気温、湿度、運動強度、体質、体調などによって、発汗量や水分摂取量は変わるため、ここであげている電解質濃度はあくまで目安です。レース時は1時間あたりの自分が摂取した水分をベースに考えてください)。

逆に気温がそれほど高くなかったり、風通しが良くて汗が少なかったら、塩熱アプリの量を減らしてもいいですね。

ただ、調整が効くと言っても塩熱サプリの持ち運びにも限界がありますし(大きいパッケージで24個入りです)、大量に発汗するような状況では、ここまであげたサプリメントの組み合わせで電解質補給が追いつかない場合もあります。

そんな時は経口補水液の出番です。

オススメサプリ4: 脱水の兆候が見られたら「ファストウォーター」

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上で少し書きましたが、脱水状態の水・電解質を補給・維持するのに適した経口補水液と言う飲み物があります。食塩とブドウ糖を混合し、水に溶かしたもので、主に下痢、嘔吐、発熱等による脱水症状の治療に用いられています。日本でも市販されていますし、テレビCMなども放送されているのでご存知の方も多いかもしれませんね。

脱水時を前提としたものなので、発汗が少ない場合に摂取すると塩分過多となる場合がありますが、十分に電解質を摂取しているつもりでも足を攣ってしまうような場合や、レース中の吐き気や全身倦怠感などの脱水症状時の対応には適していると思います。自分の過去の経験や体質(汗をかきやすい、攣りやすいなど)を踏まえて、使用してみるのがいいと思います。

今回、最後に紹介するのは、ウルトラマラソンで多くの実績を残しているランナー岩本能史さんが開発に携わった「ファストウォーター」です。

この「ファストウォーター」は、岩本氏のバッドウォーター(気温50℃の砂漠地帯217kmを走る過酷なレース)での経験、「発汗が凄すぎて、水分を摂っていても、それが失われていくのも凄く速くて、吸収しても間に合わないから、経口補水液をベースのドリンクにしたらレースがうまくいったこと」を元に開発されています。

ちなみに、一般的に経口補水液は市販のスポーツドリンクの1/3くらいの糖質量なんですが、「ファストウォーター」は、ミネラル値は一般的な経口補水液の水準にありながら、糖質値のみWHOが定めた経口補水液の糖質の最低基準値より意図的に低くされています。それゆえ、正確には経口補水液と呼べないのですが、それには二つの理由があります。

一つは、前編でも書きましたが、ランナーは常にジェルなどの糖質をとっていて、「ファストウォーター」が作用するのに必要な糖質はすでに体に含まれていると言う前提がある事。

もう一つは、低糖質にすると浸透圧が低くなり、身体に吸収される速度が一般的な経口補水液より速くなるということ。

経口補水液と同レベルの電解質を含み、かつ糖質が低く、体への吸収が早い。これが、炎天下のトレイルランニングレースで、「ファストウォーター」をお勧めする理由です。バッドウォーターというレースを知る人にとっては、日本トップのウルトラランナーが酷暑のバッドウォーター向けに作った電解質ドリンクと言うだけでも、気になっちゃうはずです。

形状は、15gの顆粒がパッケージになっていて、これを水500mlに溶かして使うようになっています。1〜3のサプリメントの組み合わせでも足が攣るような電解質不足の時、はたまた脱水してしまった時に備えたお守り、さらには、超炎天下で最初から大量に電解質の流出が予想される時などにお使いください。

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レース序盤から使いたいけど、濃度は調整したいって時には、ボトルやフラスクを2本用意して、一本は「ファストウォーター」、一本は水などにして飲む割合を調整するというのもいいかと思います。

(ファストウォーター購入ページ)→http://shop.rb-rg.jp/?pid=105501419

状況に応じた自分なりの対応を見つけられるようになろう
熱中症とサプリメント講座、いかがだったでしょうか?

本当はもっと簡潔にまとめたかったんですが、状況に応じて対応が変わるのが熱中症の難しいところ。ただし、根本の仕組みをわかってしまえば、そんな中でも柔軟に対応できると思い、あえて細かい説明をさせてもらいました。

考え方さえわかってしまえば、ここに紹介していないアイテムでもうまく使えます。「Power Gel」は1本でナトリウムを一般的なジェルの4倍(食塩相当量約0.4g)含んでいたり、電解質とマグネシウムを同時に摂取できる「Mag−on Water」のようなドリンクもあります。是非、自分なりの最適解を見つけてください。Choice is yours!!

まだまだ暑い時期がが続きますが、8月をすぎても、9月の信越五岳や10月のハセツネなどで、熱中症の症状がレース結果に影響している方もよく目にします(僕も初めて出たハセツネの時は本当に無知で、攣り、嘔吐、全身の倦怠感など、熱中症の症状にかなりやられました)。また、ファンランのつもりで行ったトレイルの途中で熱中症でバテバテになってしまったなんて話もこの時期多いですよね。みなさんが、自分にあった熱中症対策で、トレイルを健康で気持ちよく走れることを心から願っています!

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暑さに苦しんだ、、おんたけウルトラトレイルも最後は笑顔でゴールできました!

最後に、本当にやばいと思った時は無理しないでね! これマジで大事!

※後編のサプリメント紹介は、トレイルランニングのレースなど長距離・長時間の競技の対策に特化した記事です。そういったレースに出場するだけの体力のある方を対象としています。異なる状況下での熱中症については、医師の診察をうけるなど専門家の判断に従ってください。

「熱中症ってどう対応すればいいの? 〜夏場のランニング時の予防と対策〜」(前編)
「熱中症ってどう対応すればいいの? 〜夏場のランニング時の予防と対策〜」(後編)

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熱中症対策サプリお試しセット
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