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(写真 依田純子 / 文 小泉咲子)

5月15日、ハワイ・ホノルルで開催された『ホノルルトライアスロン2016』。まったくトライアスロンの経験のないモデルの持永真実さんと編集部の久恒は、初心者女性向けトライアスロンスクール『TRY WOMAN』の力を借りて、来る本番に向けて自信を深めてきた。スイムの全体練習にこまめに顔を出してきた持永さんと、数えるくらいしか参加してこなかった久恒。ふたりとも無事完走したのは、本番まで残り約1か月の時点で、完走できるかどうかを左右するスイムのフォームの最終チェックを行えたことが大きかった。

『TRYWOMAN』連載アーカイブは→こちら

どう変わった?動画でフォームをチェック

2015年11月、代官山にある『FLUX CONDITIONINGS』の流水プールに初挑戦した持永さんと久恒(参照記事→こちら)。プロスイマーの北島康介氏がトレーニングに取り入れ、プロデュースしたこの流水プールは、波の抵抗を受けたような感覚で泳げ、トライアスロンのスイム練習にはもってこいの施設。室内の上と横にカメラが備わっており、動画をその場でチェックし、修正できる。

まずは、持永さんのサイドキック(真横を向いてバタ足)をチェック。サイドキックは、息つぎ時の姿勢の安定やスムーズなローリングのために大切になってくる練習だ。動画でチェックすると、水面に身体が近づいているのがわかる。これは、高い腰の位置で泳げている証拠だ。しかも、しっかり身体を横に向けたまま、左右対称にキックができている。

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クロールも、手の入水の位置も問題なく、軸がブレていない。「以前とは違い、慌てず、力を抜いて泳げています。強いて言うなら、腕が内側に入らないともっといいですね」(葺本コーチ)。

 

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練習の成果を存分に発揮した持永さん。「最初の頃は、気持ち的に踏ん張らないとスイム練習に行けなかったんですが、最近は、練習にもついていけ、前向きに取り組めています。スイムには、不安はありません!」努力の積み重ねが、確実に結実しつつある。

自他ともに認める練習不足の久恒の現在地は?

問題は、久恒。コーチも「久しぶりですよね」と苦笑交じりに言うほど、練習不足なのだ。ところがどっこい、フタを開けてみるとこれがなかなかどうして。ストリームラインキック(けのびでバタ足)では、「僕より姿勢がキレイ!」と絶賛された。「練習回数が少なかったのに…」とコーチを不思議がらせる。

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課題はキック。下方向に強く蹴りすぎているのと、スピードが速すぎるのだ。「プカ~ンと浮いて、手で進むくらいのイメージで」とアドバイスを受け、何度か試してみるが変化が見えない。プルブイを使い、脚に頼らず腹圧を意識して泳ぐ感覚を叩き込もうとするが、プルブイがなくなると元に戻ってしまう。

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「人それぞれ、気持ちのいい泳ぎ方があり、一概にコレとは言えません。もし、強くキックした方が自分にとって自然なのであれば、『キックしない』と頭の中で思いながら泳げばOK。思ってさえいれば、少なくとも今以上は強くなりませんし、抑制できます」

もうひとつの課題は、手の入水の位置。「肩を大きく回して、もっと下をめがけて」と檄が飛ぶ。自分ではそうしているつもりなのか、なかなか修正できない。そこで、動画を確認。コーチが理想の入水位置を示すと、「そんなに下でいいんだ」と驚く久恒。動画のおかげで弱点を視覚で認識できた。

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「弱点に無意識のままでは、成長は望めません。流水プールで泳ぎ、動画でチェックして、気づく。この流れで意識を持つことが大切です」(葺本コーチ)

練習後、葺本コーチに気になる点を伺った。

 

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――今後のトレーニングは?
「足がつかないので、上向きになって休息を取る、水を飲んでしまった場合に備えて平泳ぎもマスターするといった、本番で泳ぐ海の状況に合わせた練習を取り入れていきます。また、レースでは、周りの人につられてペースが狂ってしまったり、初レースで緊張したり、いつもより心拍が上がってしまう可能性が高いので、スピード練習も行います。心拍数の限界を知り、1.5kmを泳ぎ切れる心拍数の感覚を掴んでもらうのが狙いです」

――練習不足から生じる不安はどう解消したらいい?
「不安をかき消すには、やっぱり練習しかない。ひとりでいると、不安が増してしまいます。仲間やコーチのいる『TRY WOMAN』の練習会で、5月の本番までに1回でも多く泳いでください」

――『TRY WOMAN』のメンバーの現状は?
「当初は、泳法についての質問が多かったですが、泳ぎ慣れてきて、みなさん、いかにラクに泳ぐかという視点に変わってきました。泳いだ後に、バイク、ランと続くトライアロンのレースでは、この視点がとても重要です。僕は、レースで泳ぐ1.5kmを40~50分で泳ぐと計算をしていますが、参加者の方々は、すでにその時間を集中して泳げているので、現時点で完泳できると思っています」

練習を始めたばかりの頃は、1.5㎞を泳ぐイメージさえ持てなかった。それが、1.5㎞を泳ぎきるだけの力をつけることができた。はなから無理だとあきらめていたら、たどり着けなかった場所に、今、ふたりはいる。あとは、泳ぎをブラッシュアップさせ、自信を深めていくだけだ。

次回は、ホノルルでの本番を目の前に、館山で行われた合宿の模様をレポート。はじめてのオープンウォータースイムや、ロードバイクを長距離ライド。そして、本番同様、スイム、バイク、ランを続けての練習を実施。本番へのラストスパートをお伝えします!

『TRY WOMAN』
代官山のジム「FLUX CONDITIONINGS」使い放題や、月1回の流水スイムパーソナルレッスン、月2〜3回スイム全体練習など特にスイムを手厚くサポート。
場所:東京都渋谷区猿楽町3-7
問い合わせ:03-6452-5858(株式会社IMPRINT 担当:金子)