(写真 Yufta Omata (Rapha Japan))

人気漫画『弱虫ペダル』の効果もあってか、昨今、ロードバイクを楽しむ女性が増えている。されど、入門するにはハードルが高そうなイメージも未だある、ロードバイクの世界。ギア選びからはじまり、どんな目標に向かって日々バイクにまたがるのか。興味があるけど、どうやって始めたらいいのかわからない方々は多いはず。そんな悩める方にぜひ読んでいただきたいのが、今回の記事。

世界各国でライドイベントを企画・開催し、各地のコミュニティを盛り上げている、サイクルウェアブランド『Rapha』は、昨今、特に女性サイクリストの挑戦を促すさまざまなライドイベントを仕掛けている。そこで、今回は彼らの取り組みのひとつである『Women’s 100ライド』に注目。

onyourmarkでは、各地で『Women’s 100ライド』に参加したサイクリストに寄稿いただき、思い思いの100kmをレポートしてもらった。決して楽ではないその道のりを終えて、彼女たちが思うこととは? 第一回目の今回は山梨甲州、第二回目は北関東での『Women’s 100ライド』の模様をお届けする。山梨甲州の記事を書いてくれたのは、自転車歴1年未満でありながら今回のライドに挑戦した、須賀真知子さんだ。

『Women’s 100ライド』とは
Rapha本社(ロンドン)の女性社員の呼びかけにより、2013年に始まったグローバル規模のウィメンズ・ライドプロジェクト。毎年ツール・ド・フランス開催期間中の日曜日(2015年は7月26日)に、世界中の女性サイクリストがそれぞれの場所で100km(以上)を走ることを目的とする。100kmというひとつの壁への挑戦であることはもちろん、100kmを走り慣れたライダーは走りながら他のライダーをサポートするなど、女性サイクリストのつながりや連帯を深めることもテーマのひとつ。Rapha公式サイトを通じてライドを企画・登録することもでき、その地域のライダーを募って一緒に走ることができるのも特徴。2015年は全世界で9,000人近いライダーが挑戦し、日本でも20カ所でライドが企画・開催された。
http://pages.rapha.cc/ja/womens100

 

須賀 真知子さん(PN マーチン)
自転車歴は1年未満。電車通勤に嫌気が差し、MTBでの通勤を開始したことでより楽に距離の走れるロードバイクに興味を持つ。しまなみ海道をレンタルのロードバイクで走破してその魅力に取り憑かれる。文科系のためこれまで主立った運動歴は無く、ランニングを10年ほど続けていたが、今はそこに週2回のロードバイクが加わった。また、ロードバイクだけでなく、ランニングなども楽しむアクティブな女性サイクリスト。

 

Raphaとの出合いは約1年前。今回の課題は「夏日のロングライド」だった
(文 須賀 真知子)

私がRaphaと出会ったのが、約一年前、ロードバイクを初めてみようと決心して、走るためのウェアを探していたところ、Raphaのホームページの写真と映像に釘付けになり、こんな風にスタイリッシュに走りたいなと空想に耽っていました。丁度その頃Raphaの東京店が出来たので、思い切って出かけて、未だ自転車も完成していないのに、店員さんと相談しながら思い切って上から下まで全てRaphaで揃えてしまったのでした。

8月(2014年)の終わりに自転車が完成して、初めてのライドはRaphaのショップライドに参加し、その頃は女性が少なかったため、ベテランの男性陣に助けられながら、少しずつ走り方を覚えて行きました。今回のWomen’s 100にも、半年くらい前から参加したいな、とは思っていました。

Women’s 100に参加するに当たって、これまでに、有名なハンバーガーを食べに行くライドで最高177kmの平坦コースは走った事はあり、Raphaのショップライドで裏ヤビツ100km 獲得標高2000mも経験があったので(私以外全て男性で、峠の経験の無い私はひたすら最後尾から付いて行くことになりましたが)、ペースは別にして、100km走れないとは思いませんでした。ただ、ネックになっていたのが、夏日のロングライドを経験した事が無いことでした。

そこで、イベント2週間前の夏日に自分で100kmのルートを設定して走ってみて、途中コンビニで何度も休憩を入れながらも、とても大変な一日になってしまいました。だからと言って、今まで走ったことの無い場所を走りたいという気持ちも抑えられず……。Women’s 100甲州は、以前、別の自転車屋さんの女性だけのライドでお世話になった方がライドリーダーをされると言う事もあって、この方とだったら安心して走れるという確信があったので、ライドの申込みが始まって直ぐに申込みました。あとは、甲州勝沼と言えばワイン&フルーツ天国! 頭の片隅にご褒美の期待もありましたけどね。(笑)

ライドメンバーと緊張の!? 初対面
イベント前日に新宿から特急で勝沼ぶどう郷駅に降り立った時に、ホームから見える一面のぶどう畑を見て、思わず「わ〜っ!」て叫びました。自転車を組み立てて、この日の宿泊先へ。チェックインまで時間があったので、お勧めの観光スポットを地図にマークしてもらい、ゆっくりしてれば良いのに色々と観光をして回りました。どこを走っても、ぶどう桃ぶどう桃。白桃が大好物な私は「桃食べてって!」「桃ジュースあるよ」の看板に目が行ってしまい、脇見注意!

観光を終えて戻ると、半数以上の方が到着していて、次々にご挨拶を。初めましての方と相部屋で泊まるなんて、小学生のサマースクール以来だな、と少し緊張。でも、そんな緊張は夕飯のBBQでワイングラスを傾け合い、一緒に温泉に入った時点で吹き飛んでしまいました! 他県から、わざわざイベントに参加しようと来る人達です、それぞれ自転車に対する熱い気持ちがあり、女性同士聞いているだけで共感出来る部分が多く、私と限りなく近い気がしたからです。
 

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宿に戻って、楽しいブリーフィングの最中に、暑さを避けるために1時間早くスタートすることが決まり、早よ寝な!となったのでしたが、、極度の緊張のため寝られない・・・実質睡眠時間は3時間位かな? まあ、初めてのマラソン大会の前日も1時間しか寝られなかったけど、完走できたから何とかなるという気持ちで、気合いを入れて、ボトルを2本とも満タンにして、みんなで円陣組んでいざスタート!

ご褒美を目指し、ライド!ライド!ライド!

涼しいうちに街中を抜けて、軽いアップダウンの続く丘陵地へ、八ヶ岳、南アルプスの眺めは絶景!33km地点から渓谷沿いを走り、1000mの最高地点まで、延々上りが続きましたが、林道沿いの川からの冷気は、自然のクーラーで、本当に助かりました。
途中、47km地点から急に斜度がきつくなり、昼食休憩のお店まで4.4kmと書かれてある看板を見つけたのだけど、その4.4kmがとても長く感じました。

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昼食を終えて、少し上ってから、いよいよ事前に注意点としてあげられていた直線の下りへ、私は、人より手が小さいので、ブレーキを握る握力が無くなるのが心配で、上りは前の班でしたが、下りは、ゆっくりなペースで下る班で下りました。ライドリーダーの配慮が有難い。下りのミスは事故に繋がりますもんね。

皆が安全に下り切ったところで、盆地の熱風。下界は、こうも違うものかと……。街中を抜けて、楽しみにしていたジェラート屋さんでジェラートを食べ終わり、残り、ゴールまで26キロ程のフルーツラインを公園まで一気に上りました。一番陽の高い時間帯で、この上りがとにかく辛かった〜! 直ぐにジェラートを食べた記憶が無くなり、辺りからは、熟した果物の甘い香り。目の前に人参をぶら下げられた馬のようにひたすら踏み続けます。

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公園を過ぎて、最後のお楽しみの差し入れのプラム、希少な貴陽ではないか!!かぶりつきながら、甲州に来て良かったとしみじみ思いました。やっぱりフルーツ天国だ!! 喜びもつかの間、もうあと少しだ!頑張ろうと集中力の切れる100km地点にグラベルを盛り込むあたりが、Raphaライドだなと……。いや、そんな事言ってられない!

そうして、皆、無事にグラベルをクリアし、宿までの上り坂がこの日一番の難関。最後にこの斜度は無いよね? ゴール地点には、スタッフの皆さんが待ち構えているのが見える! 心折れそうになりながらも、只々、自分のペースで踏み込む。

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100kmのライドを終え、円陣を組んでゴールを喜ぶライド参加者たち。写真右から3番目が須賀真知子さん。

そして、ついに、ゴール。
「Well done!」やったね! 
次々に笑顔でゴールしてくる仲間を迎える。少し無理をすることで、得られる達成感。緊張が解きほぐされたことで、目頭が熱くなりました。今回のライドは、最初に説明があった通り、「参加者全員が欠けることなく、一緒に無事にゴールをする」ということを目標にしていたので、ライドリーダーの方達やスタッフの皆さんが、本当に気を使って下さっていました。私は自分の事で精一杯でしたが、もっと経験を重ねて行き、いつか自分のお勧めのルートを皆さんと走れたらなと思います。そして、山梨甲州は知らない場所では無く、もう一度走ってみたい場所になりました。今度は、10月の収穫祭の頃にでも……。