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 本日10月26日に発売したonyourmarkの雑誌版『mark』05号の特集は、「野生に還るための食とトレーニング」。スポーツが日常にあるぼくらにとって、”今なぜ、野生なのか”。食とトレーニング、2つのテーマをもって紐解いたのが、今号のmarkです。

【Editor’s Noteより】
 たとえば、先日開催された日本を代表するウルトラトレイルレースUTMF(ウルトラトレイル・マウントフジ、168.6km、制限時間46時間)にメキシコの山岳民族、タラウマラ族が参加しました。書籍『BORN TO RUN』でも脚光を浴びた彼らは、山間部で手に入る限られた食糧と、古タイヤを再利用したサンダル“ワラーチ”のみで山を駆け巡ります。彼らが挑戦した日本での100マイルレースは、残念ながら90km地点でのリタイアという結果に終わりましたが、彼らはこのレースで“野生”を象徴する、あるシーンを残してくれました。

 UTMFの最難関といわれる険しい山岳部分“天子山地”において、トップランナーはじめ多くの参加者は、折からの雨でスリッピーになった斜面に対応できず、泥にまみれてエイドステーションへと入ってきました。そんな中、タラウマラ族の英雄的ランナーであるアルヌルフォは、民族衣装の白いスカートに泥ひとつ付けず、何事もなかったかのように駆け下りてきたのです。グリップの効いたシューズに頼るわけでもなく、手作りのワラーチでどうしてテクニカルな下りを制覇できたのか。それは、ぼくたちに人類の“野生”を垣間見せてくれる貴重な機会でした。

 そうした姿にぼくたちは理想の野性的な人間像を投影し、身の回りの文明を否定したい欲望にかられます。あらゆる文明の利器を排し、あるがままの人間の姿に回帰するべきではないかと。しかし、タラウマラ族も町に降りてくれば好んでコカ・コーラを飲み、来日した際にはスマートフォンに興じていたといいます。手近にあるものは全て利用するのが人間の性なのでしょう。

 このように野生と文明の間には、一筋縄ではいかない関係があるようです。なぜなら文明も人間の野生=NATUREの一部であるから。ぼくらはどこまで野生に還ることができるのか、その野生とはなんなのかを。日々の生活と、自分の中にある野生との折り合いをうまくつける着地点を見つける一助となれば幸いです。

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Contents一覧

mark05
特集:
BACK TO NATURE
『野生に還るための食とトレーニング』

なぜ今、野生なのか?

野生に向かうトレーニング

TO BE A FUNCTIONAL SPECIFICATION
ファンクショナルになる中村アンの身体 

WHAT’S CROSS FIT???
クロスフィットは野生の身体を作る

NIGHT FOR EXTREME RUN
ヤマケンが野生に還るため必要とする、極限状態の夜。

BACK TO NATURE BY A NIGHT RUN
野生を磨くナイトランのススメ 高尾・和田練

NIGHT RUN RACE GUIDE
トレイルからロードまで 野生を味わうナイトランレース

REVIVAL OF THE MAFFETONE METHOD
『ナチュラル・ボーン・ヒーローズ』で再評価!? よみがえるマフェトン理論

STUDY IN THE NUTRITION FOR RUNNERS
VESPA齋藤の、レースを乗り切る! 低GI的補給講座

SHOW YOUR ROLL!! NEW GEN.JIU-JITSU STYLE IN CA
カリフォルニアの柔術

野生に向かう食

GO WILD VS PALEO FANTASY
話題の書物で紐解く、「パレオ式」の真実

REAL DATA OF THE LOW-CARBO DIET
データからみる低糖質ダイエットの真実

THE EVOLUTION OF DIET IN JAPAN
日本人は何を食べてきたか?

TASTE OF THE PLACE
アトツギ編集室 「森の晩餐」その時、その場所の出合いを食す

CARNIVORE OR HERBIVORE?
ヒトと動物の消化システムを比較する

THE WORLD OF MYSTIC FERMENTED FOOD
神秘なる発酵食品の世界

SHIGA FERMENTED FOOD TRIP
Circles 滋賀発酵食品をめぐる旅 

THE WONDER OF IMMEASURABLE
奇奇怪怪なる腸内細菌

MARK GEAR
野生に還るためのスポーツギア

INTERVIEW

生き方のトレーニング
操上和美 

ルーカス B.B.

アスリートの休日 
市橋有里

スポーツと道具
竹刀職人 弘光号 三代目 西野勝三

エッセイ他
内澤旬子 島の暮しと身体のこと

スポーツと旅
ヒマラヤは世界最大の里山だ
THE PROJECT OF GREAT HIMARAYA TRAIL

mark 05 概要

講談社MOOK
mark 05
2015年10月26日 第1刷発行

発行人・編集人 松田 正臣(株式会社アルティコ)

印刷・製本所 図書印刷株式会社

発行所 株式会社アルティコ
mark編集部
〒 150-0042 東京都渋谷区宇田川町2-1 #1308号室
TEL:03-5456-1370
Mail. arakawa@artico.co.jp(担当:荒川)

発売 株式会社 講談社
〒112-8001 東京都文京区音羽2-12-21
TEL (販売部) 03-5395-3606

運営体制
PUBLISHER・EDITOR IN CHIEF
Matsuda Masaomi 松田 正臣

ART DIRECTOR
Komiyama Hideaki 小宮山 秀明

DESIGNER
Ito Masahiro 伊藤 正裕

EDITOR
Muramatsu Ryo 村松 亮
Arakawa Chie 荒川千絵
Hisatsune Anna 久恒 杏菜

CONTRIBUTE EDITOR
Koyajima Kazue 小矢島 一江
Kuraishi Ryoko 倉石綾子
Inoue Hideki 井上 英樹(モンキーワークス)
Kobayashi Tomohiro 小林朋寛
Okada Kaya 岡田 カーヤ(モンキーワークス)
Ishida Eri 石田エリ
Kawabata Shogo 川端正吾
Matsushima Yuka 松島由香

ASSISTANT EDITOR
Ono Mariko 小野真理子

PROOFREADING
Shuchinsha 聚珍社

〈主な発行メディア〉
markの発行(年2回 春秋 発売)
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