(写真 55 Co.,Ltd / 文 小泉咲子)

【名前】足立めぐみ MEGUMI ADACHI
【生年月日】1979年5月3日
【職業or所属】ピラティスインストラクター
【HP or BLOG】http://pilatesstudiokomazawa.com
【やっているスポーツ】ピラティス、クラシックバレエ

クラシックバレエの教師に薦められてやってみたピラティスで、シンプルな身体の使い方を知った足立めぐみさん。いったんは離れたものの、妊娠と出産の辛い時期に、彼女を救ってくれたのがピラティスでした。現在は、インストラクターの資格を習得し、マタニティクラスや子連れクラスを受け持っています。生徒からよく聞かれるのは、ピラティスがもたらす精神的な変化だそう。ピラティスはどのように身体だけでなく、気持ちのあり方を変えてくれるのでしょうか。

 

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バレエとピラティス。似て非なる筋肉の使い方
クラシックバレエは3歳からやっていて、ロンドンでレッスンを受けたときに、「君の踊りはクセがあり過ぎるから、ピラティスをやりなさい」と言われて、その先生がやっているピラティスのプライベートレッスンを1時間受けてみたんです。それは衝撃的でした。「身体ってこんなにシンプルに動かさなきゃいけないんだ」って初めて知ったんです。

寝て、脚を上げるという動作をやっただけで、先生は「違う」と。「脚は、脚ではなく腹筋で上げていくもの。脚を使って上の空気を上げるんじゃなくて、脚の下に空間を作るように腹筋で脚を上げていくんだ」と言われたんですが、最初は「何のこと?」って感じでしたね。先生にサポートしてもらって脚を上げてみて、次に自分だけで言われたようにやってみると、もう全然違うんですよ。今まで気づいていなかった筋肉の使い方で、新しい!って思いました。私の脚の上げ方は重いと注意されたんですが、脚で上げていたからだったんです。きちんと身体のことを知っていれば、しなやかに脚が上がるんです。

バレエの延長線上にピラティスがあったというより、バレエとは180度別の角度から、身体の使い方を教わった感じです。これまで作ってきた筋肉の変なクセを捨てるのがピラティスでした。小さい頃からバレエをやってきて、身体の使い方を知っているので、身体をシンプルに機能させることを習得するのは難しかったけど、その分、身体について面白く探求できました。

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妊娠・出産で疲弊した身体と心を救ったのが、ピラティス
帰国してから、ピラティスを教えてくれるところを探したんですが、まだ日本では浸透していなくて見つけられないまま離れてしまいました。その後、妊娠して40日間の入院を余儀なくされてしまったんです。妊娠、入院、分娩、母乳という生活を送っていたら、身体も心もボロボロになってしまって……。そんな状況のときに、思い出したのがピラティスでした。母に子供を預けて、再開したら、気持ちが明るくなっていきました。

今、マタニティの産前ケアのクラスと、3歳くらいまでのお母さんのための子連れクラスを教えているんですが、みなさんも「毎日が楽しくなった」とか「子供が騒いでもイライラしなくなりました」とか、気持ちの変化を言ってくれる方が多いんです。ピラティスはもともと、精神と身体を鍛えるのが主な目的。どの筋肉をどう使うかものすごく集中して、身体の中を見つめようとすると、いろんな変化や気づきがあるんです。ピラティスは、精神と思考、呼吸と身体が必要だって言われているんですが、みなさん、気持ちの変化を口にするので、ピラティスってすごいなって思います。

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誰もが自分の中にすでに持っている美しさを引き出してあげたい
ピラティスには、木にバネをつけたマシーンを使ったエクササイズもあるので、今後はピラティスマシーンの資格を取りたいと思っています。マシーンには何種類かあって、組み合わせると300種類くらいのエクササイズができるので、それらが身体のどこにアプローチするのか勉強が必要です。マシーンを使うとよりリハビリテーションに近くなるので、膝を痛めた人や背骨が歪曲して猫背が治らない人にも負荷をかけずに、正しい姿勢に導くことができるんですよ。

ロン・フレッチャー(ピラティスの創始者から直接指導を受けた、メソッドの代表的な継承者)が、「美しさは外から得るものではなく、みんながすでに持っているもの。その潜在能力を引き出してあげるのがピラティスだ」と言っています。私も、女性だけでなく男性も含めて、より多くの人から、自分の中にある美しさを引き出してあげたい。年齢に関係なく、身体は一生付き合っていくもの。80歳、90歳になっても、誰かに伝えていくことはできるので、ずっと続けていきたいです。