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(写真 55 Co.,Ltd / 文 小泉咲子)

【名前】中村恵理子 ERIKO NAKAMURA
【生年月日】1982年8月27日
【年齢】32歳
【職業or所属】ヨガ・瞑想インストラクター
【やっているスポーツ】ヨガ、登山、サーフィン

インド、スリランカ、沖縄、屋久島……。学び、働きながら旅するスタイルの中村恵理子さんは、インドで習得したヨガと瞑想を教えるインストラクター。彼女がヨガや瞑想を学ぼうと思った理由、そして、インド滞在中に訪れた実験型エコビレッジ・オーロビルの話はとくに興味を惹きます。

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自給自足を学ぶ沖縄ヤンバルから始まった旅
沖縄で2年くらい、宿で働いたり、自給自足や自然食について勉強をしたりしたのがスタートです。それから屋久島に行ったんですけど、重い鬱病を患った友人のお父さんの近所に住んでいて、そのうち、屋久島の雨ばかりで鬱々とした森の影響もあって、自分も精神的に参ってしまって……。そのとき、「絶対に、精神的なものを鍛えないとダメだ」と思ったんです。これからは、私のように精神的に悩みを抱える人が増えてくるだろうと考え、そうした人たちの助けになるためにもヨガの資格をちゃんと取ろうと、インドに渡りました。

インドには3カ月ほどいました。インドでは、シヴァナンダ(精神性を意識し、心と体のバランスを図る伝統的なヨガのひとつ)のティーチャートレーニングコースと、ヴィパッサナー(インドでもっとも古い瞑想法のひとつ。釈迦が、確実に悟りを体験できるよう教えていたとされる)のメディテーションコースを取りました。

その後、長野・上高地の山小屋で働き、昨年はスリランカへ。インドにもふたたび行きました。

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インドのエコビレッジ、オーロビルで受けた衝撃とは?
最初のインド滞在中に、オーロビルを訪れました。ガイドブックに「2000人が暮らす巨大なエコビレッジ」として紹介されていて、面白そうだと思っていたところ、バスの中で出会った女の子が、偶然にもオーロビルで生まれ育った人だったんです。「行きたいんだったら、来たら」と誘ってくれて。連絡先をもらって電話をかけたら、お母さんがでたんですけど、娘はオリッサ州にインディアンフルートを習いに行っちゃって、3年くらい帰ってこないと(笑)。「じゃあ、私が案内してあげるわ」となって、お母さんを訪ねました。

オーロビルの真ん中には、巨大な瞑想ホールがあるんです。中に入るには許可が必要で、誰でも入れるわけではないんですが、20年以上オーロビルに住んでいるオーロビアンといっしょだったので、入れてもらえました。靴下を白に履き替え、中に入ると真っ白!空気も、外とはまったく違う雰囲気でした。真ん中にものすごく大きな水晶がおかれ、天井から差し込む光が当たってピカーンとなっていて、その中で瞑想をするんです。それはもう、ものすごい衝撃を受けてしまって。1週間しかいられず、深くはわからなかったのですが、すごく興味深い場所だと思いました。

このときインドで出会った日本人の女性が、オーロビアンになったんです。オーストラリア人のパートナーと子供といっしょに住んでいて、今年、訪ねてオーロビルに1ヶ月滞在しました。彼女に教えてもらったんですが、オーロビルの中は医療費や教育費がかからない。オーロビル内では現金の取引ではなく、オーロビアン専用のカードが通貨のかわりに使われているそう。

おそらく、献金によって運営されているんだと思います。オーロビル内の仕事があり、友人は、オーロビアンだけが使えるオーガニックマーケットに出荷するバジルを育てていました。

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旅で移動を続けるライフスタイルから、自分の基地作りへ
世間的に言えば、私がしていることは“旅”なのかもしれません。旅をする時間が長くなり、7年くらいかな。ずっと移動しているから、旅そのものが生活になっています。観光地を巡るようなことはせず、その地に住み、ヨガや瞑想を勉強をしたり、スピリチュアルワークをしたり。働けるところがあれば仕事をしていました。アーユルヴェーダのマッサージを習うために滞在しながら、ヨガを教えていたこともあります。何かしらを学びながら旅をするのが私のスタイルですね。

ただ、そんなことを7年くらい続けてきて、ちょっと動くのを休んでみようと思ってもいるんです。自分のベースというか、基地作りですね。この数年、ヨガに集中してしまい、本来の目的をちょっと忘れつつあって……。私が究極的にやりたいことは、土に根ざした自給自足的暮らし。

ただ田舎暮らしをするのではなく、都会の人たちともいっしょに遊べるようなことをやっていきたいんです。