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(写真 松本昇大 / 文 山崎恵)

スポーツウェアでありながら、今までにないデニム風素材と高いデザイン性で注目を集めている「adidas24/7」。私服コーディネートの2人目は、スポーツ好きにはおなじみの音楽レーベル、JAZZY SPORT所属のマルチアーティスト・MARTERさんです。13歳でL.A.に移住し、名門のバークリー音楽大学に進学。音楽の才能を開花させアーティストとして高い評価を得るなか、その傍らでサッカー、ヨガ、太極拳とあらゆるスポーツを続けてきた理由と、これらに通じるものとは何か、語ってもらいました。

海外での慣れない生活をサッカーが救ってくれた
スポーツを本格的にやるようになったのは中学でサッカー部に入ってからですね。中2の時に親の転勤でロサンゼルスに引っ越したんですが、高校に入ってすぐ、サッカー部のトライアウトがあったんです。“とりあえずやるだけやってみよう”って感じで受けたら、チームのレベルがそこまで高くなかったので合格したんですよ。思えば、あの当時はサッカーにだいぶ助けられましたね。英語もまだ全然話せなかったんですが、チームに入ったおかげで友達もすぐにできましたから。その後、部活とは別に地元のクラブチームにも入ったんですが、そこは白人、黒人、アジア系と、すべての人種が集まってきていたんですよね。若い時にああいった環境に身を置けたことは、本当に貴重な経験でした。

アメリカの部活はシーズン制で、3つのシーズンのうちサッカーは秋から冬にかけて。どうやら「若いうちはいろいろやって、いろんな筋肉を鍛えなさい」みたいな考えがあるみたいですね。なので、サッカーがシーズンオフの時はほかのスポーツもひととおり試しましたよ。陸上にアメフト、テニスもやったし、日本ではちょっと敷居が高いゴルフもアメリカではわりと手軽で、学生時代から行っていました。日本の部活と違って驚いたのは、たとえば僕のいたサッカー部だと、練習が始まるといきなりゲーム形式からなんですよ。基礎練やトレーニングは、そんなの自分でやっとけって感じで。もちろん競技によって差はあるだろうけど、全体的に、スポーツに対して“まずは楽しもう”って感覚が強いと思いますね。

演奏も歌うことも運動。オンオフとわず、常に動きやすい格好でいたい
音楽を始めたのは高校2、3年の頃。友人のギターを借りて弾いてみたのをきっかけに、どんどんハマっていきました。進路ではそれで迷って、一度は大学でサッカーを続けることも考えたんですが、だんだん、自分は音楽の方が才能あるんじゃないかって気がしてきて(笑)。なんでそう思ったかっていうと、僕、音楽はすぐ上達したんですよ(笑)。楽しくて仕方なくて、何時間でも夢中になって練習していましたから。

音楽が生活の中心になってずいぶん経ちますが、ボーカルをやるので体幹のトレーニングは欠かさないし、時間があればできるだけ運動するようにしています。それに自宅で音楽を作っている時も、楽器は主にベースとキーボード、打ち込みを入れる時はドラムマシーンなども使いますが、これらの演奏も言ってみれば軽い運動なんですよね。なので普段の服装も動きやすさ重視です。スポーツウェアとのコーディネートもよくするので、今回はわりといつもしている恰好そのままという感じなんですが(笑)。「24/7」は、見た目は本当にデニムっぽいのに、触ってみるとすごく柔らかくて着心地もいい。僕みたいに、運動する時もそうでない時も、常に両方いける感じでいたい人には嬉しいですね。

音楽もスポーツも、等しく大切な存在
大学はボストンにあったんですが、学校のすぐ近くに太極拳のスクールがあったんです。軽い気持ちでやってみたら面白くって、結局2年くらい通ってある程度のレベルまでは上達しました。だんだん、身体の中の気の流れが分かるようになるんですよ。瞑想やスピリチュアルの世界に触れたのはそれが最初ですね。

こういったスポーツと音楽がよく似ているなと思うのは、ひとつのことに集中するなかで雑念が消えていき、頭の中ではまったく違う世界へいけるところ。どちらも自分との対話ですよね。逆に、サッカーのようにチームでやるスポーツはバンドに似ていると思う。ひとつの価値を分かち合うことで絆が生まれたり、思い出ができたりするところがね。スポーツと音楽から得られるものってすごく似ているし、僕の中は2つが同じように存在しているんです。

積み重ねた今だからわかる「基礎」の大切さ
これは太極拳をやってみて思ったことなんですが、例えば「丹田」に力を入れると身体はこう動くとか、逆に上手な力の抜き方とか、そういった基本的な身体の使い方を早いうちに知ったうえでサッカーをやっていたらどうだったんだろう、もっと違っていたんじゃないかな、と。身体の使い方に関しては今でも永遠のテーマですが、やっぱり何事も基礎が大事だと思いますね。もちろんこれは音楽にも通じることで、音楽はよく「リズム」「和音」「メロディ」の3つが基本だって言われるんですが、ほんとにそうだなって、最近はよく思います。シンプルに伝わる音楽が一番いいなって、今なら、ね(笑)。……前はもっと力が入り過ぎていたり、一曲に全部詰めこもうとしていたり、人と違うことにこだわって分かりづらいものになっていたり、いろいろあったなあと思います。それも全部、今だからこそ分かることですけど。

今は難しいことよりも、ぐっとくるメロディとか、そこから始まるものを大切にしていきたいし、特に次の作品はそうしたいなと思っていて。名曲と呼ばれるものを作りたいし、作り続けていきたいですね。……あとは、身体を鍛えたいです。もう若くないんで、美味しいもの食べるとすぐ出ますから(笑)。っていうのは半分冗談ですけど、でも、いい音楽を作るのもやっぱり身体が資本ですからね。

MARTER(まーてる)
東京生まれ。作詞・作曲、アレンジ、プロデュース、ヴォーカル、演奏全てを自身で手がける。13歳からL.Aに移住。高校卒業後、バークリー音楽大学に進学。現在はソロアーティストとして活動、国内外のミュージシャンから高い評価を受けている。JAZZY SPORTより2012年に、アルバム『Finding & Searching』を発売。そして2014年10月には最新アルバム『SONGS OF FOUR SEASONS』を発売。

[MARTERさん着用分]
M adidas24/7 ウォームアップ フーディ ジャケット
本体価格:¥7,900+税
品番:S92685
カラー:カレッジネイビー
サイズ:XS, S, M, L, O, XO, 2XO

商品詳細ページ:アディダス http://adidas.jp/247
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