(写真 GENKI / 文 小泉咲子)

昨今において、良いランナーとはどんなランナーをさすのだろうか。

フルマラソンを良いタイムで完走する、もしくは自然と調和しながら100マイルの山道を走りきる、もちろん、どれもランナーとして素晴しいスタイルだ。でも、タイム、距離、場所といったものにあえてこだわらず、自分のペースとタイミングで、ランをライフスタイルに取り込んでいる人たちが増えている。

ランドスケーププロダクツに所属し、イベントを主宰する坂口修一郎さんもそのひとりだ。彼には、地元・鹿児島の自然の中で、音楽、デザイン、食など、クロスカルチャーで楽しめる“GOOD NEIGHBORS JAMBOEE”などのイベント関連の仕事だけでなく、バンド「Double Famous」の中心メンバーとしての顔もある。

仕事と音楽活動で多忙を極めながらも、彼が走る時間にこだわるわけとは?

ビジネス&音楽活動で保つ理想のライフワークバランス

イベントのプロデュースとミュージシャンの割合は、1:2でイベント関連の仕事のほうが多いですね。ミュージシャンとして演奏するときは、嫌なことは一切やりません。音楽だけで食べようと思ったら、そうも言っていられませんが、音楽では好きなことを追求できています。それは、イベントのオーガナイザーという仕事があるから。「ふたつを同時にやるのは大変じゃないのか」と尋ねられることがあるんですが、こういう生活を20年続けているので、僕としてはごく自然なスタイルなんです。どちらかひとつに絞るほうが、辛くなるんじゃないかな。

ビジネスと音楽を行ったり来たりすることで、いいバランスが保てていますね。オーガナイズしているイベントにミュージシャンとして出演することもありますよ。裏側では、バタバタ(笑)。ひょっとしたら、そのときがいちばん走っているかも。走らされてる、と言ったほうが正確かな(笑)。

普段履きとして、毎日のように履いているというニューバランス 1400。イベント仕事もミュージシャン業も基本的には立ち仕事なので、ソールのしっかして疲れにくいスニーカーが、坂口氏のよき相棒だ。

外を走りだしたのは3年くらい前から。10年ほど前に喫煙をやめて太ったから最初はジムに通っていたんですけど、出張が立て込むようになって行けなくなってしまって。ジムは、時間をわざわざ作らないと行けないじゃないですか。営業時間や休館日もあって、ジムに自分のスケジュールを合わせなきゃいけないから、やめてしまいました。「外を走るのって楽しいよ」と周りのランナーから薦められたこともあって、街中で走るようになったんですけど、実際、すごく気持ちがいいですね。

地方や海外に出張したときも、時間を見つけて走っています。出張って、移動時間中座りっぱなしで血の巡りがおかしくなりますよね。たとえ、3,4kmであっても、走るとスッキリするんですよ。肉体的にしんどいときほど、走ることで疲れが取れるんです。

足裏だけに集中する“歩禅”をランに取り入れ、リフレッシュ

僕の場合、走るコースはバラバラ。ふだん行かない道を走るので、行き止まりで戻ることがよくあるんです。出張先でも、今いる場所がスタート地点で、ゴールも決めず走り出す。そうすると、この街は、車優先で作られているなとか、この辺りはアップダウンが激しいんだとか、体感できて楽しいです。

でも、何かを発見しようとして、街を走っているわけではないんです。自然と目に入ってくることや体感したことを情報として取り込むことはあるけど、むしろ、走っている間は、足裏のことだけに集中して走るようにしています。足裏だけに神経を研ぎ澄まして、余計なことを頭の中からどんどん消していくんです。そうすると、音楽を聴いて走ってはいるけれど、何を聴いているかすら分からなくなっていきます。

“歩禅”という瞑想の一種があるんですが、その走る版ですね。

僕にとって、頭をからっぽにできるのは、走っているときだけなんです。というのも、いつも画面をのぞき込み、仕事のメールを打ったり、SNSで情報をチェックしたり、画面を覗き込んで、何かしらやっていて、完全なオフの日というのがない。だから、僕にとって走っている間だけは、仕事から離れられる大事な時間。シンプルに足を動かし、考えることは、足裏だけ。そういう時間って他にはないから、走ることは、僕の生活にとって欠かせないんです。

「完全にオフの日がない」と言うと、きっちりした性格なのかと思われるかもしれないけど、どちらかというと怠け者だし、極力、誰かと合わせたくない。自分のペースで動きたいんです。それは、仕事もランも同じこと。誰かと一緒に走ると、その人のペースに合わせなきゃいけないですよね。いろいろ調整するのが仕事のようなところがあるので、走るときくらいは自分のタイミングとペースを守りたいし、守れているから続いているんだと思います。

大会出場やタイムアップといった、目標も持ちません。週何回走らなきゃとも思わないし、1カ月の走行距離も決めていません。時間がなければ、2、3週間走らないこともあります。「今日は時間があるから、10km走ろう」とか「30分しかないから5、6kmでいいや」とか、その程度。高い目標を掲げた途端に、どうしても目標達成が義務になって、自分で自分をがんじがらめにしてしまう。すべてから自由になれるのが、僕にとってランの魅力ですね。

仕事シーン&ランニング。2WAYで使えるニューバランス1040

何にも縛られたくないのは、シューズも同じこと。実は、足の小指を骨折してギブスをはめていて、半年くらい走れない期間があったんです。骨折は治って走り始めたけど、怪我をかばったせいか、骨折したのとは逆脚の膝を痛めてしまいました。ずっとギブスをはめて運動もしてなかったから左右の脚で筋肉量も変わり、体のバランスが崩れ、全然走れなかった……。「もう走れないかも」と思っていたときに、素足の感覚に近いベアフットサンダルが怪我後のトレーニングにいいと聞いて、試してみたんです。走り方も、かかとではなく爪先から着地するフォアフットに変えました。「20㎝くらいの高さから飛び降りる時でも、かかとから着地する人はいない」と言われ、確かにそうだな、と。「ポンッと地面に降りるように走るといい」とアドバイスを受けて、ベアフットサンダルで実践してみたら、だんだん痛みを感じなくなってきたんです。

だからと言って、このサンダルじゃなきゃ走れないというのは、違うんです。それだと、シューズに縛られてることになっちゃうから。ベアフットで衰えた筋肉を鍛えて、感覚を取り戻したら、クッション性があって、ソールのしっかりしたシューズで少しずつ距離を伸ばしてみる。そんなふうに、シューズ選びも縛られずに、その日の調子であったり、気分で、決めたいですね。その選択肢のひとつとして、ニューバランスの1040があるんです。1040は軽くて安定性があるので、ゆっくり長めの距離を走りたいときに選んでいます。

普段からニューバランスを履いています。僕、移動手段に歩きを取り入れていて、1万歩くらいは平気で歩くんですよ。でも、パソコンとかどれだけ軽いものを選んでも荷物は重くて。重いものを持ち歩くときは、ニューバランスは最適ですね。学生時代は、990シリーズとか履いていたんですけど、改めて大人になってからニューバランス履いてみて、そのしっかりした感じに気づかされましたね。

そもそもニューバランスのデザインって、媚びてる感じがない。ファッションアイテムぽくないというか。ファッション性を意識しているのかもしれないですけど(笑)、けっして、トレンドを最優先にはしていなくて、真面目なイメージ。1040だと、出張先で歩きまわることもできるし、もちろん、本来のランニングシューズとしても使える。コーディネートにしても、ビジネスとランという2つのシーンに対応してくれる1040の存在は、すごくありがたいですね。


ニューバランス M1040
重量:約285グラム(メンズ片足 27.5cmの場合)
価格:
12,500円+税
レングス:24.5~29.0cm ウイズ:D,2E
レングス:24.5~29.0,30.0cm ウイズ:4E,G 
9月上旬発売予定

坂口修一郎(さかぐち しゅういちろう)
1971年鹿児島生まれ。プロデューサー/ミュージシャン。BAGN.Inc代表。1993年、リトルクリーチャーズの青柳拓次、栗原務、ボーカリスト畠山美由紀らと共にDouble Famousを結成。東京発の無国籍音楽楽団として高い評価を得る。これまでに6枚のオリジナルアルバムと1枚の未発表音源集、DVD映像作品などをリリース。ソロミュージシャンとして、UA、Port of Notes、Silent Poets、Chari Chari、Calmなどの作品に参加。東日本大震災後は緊急来日したジェーン・バーキンのベネフィット公演とその後のワールドツアーをコーディネーションし話題を呼んだ。2010年よりGOOD NEIGHBORS JAMBOREEを主宰。現在はランドスケープ・プロダクツ内にBAGN.Incを設立し、音楽にとどまらずアートイベントや企業のコミュニケーション・ディレクターを務めるなど、その活動は多岐に渡っている。