(文 小矢島一江 / 語り手・写真 TAMAO)

豊かな自然と人々が共生し、「神々の島」と形容されるバリ。多くのヨギーニ/ヨギーを魅了するこの島で開催されたTAMAOさんのヨガリトリートの後編をお届けします。#01のバリの東沖に浮かぶレンボンガン島から、舞台をジンバラン、ウブドへと移動します。

ヨギーニを歓迎する街、ウブド

 ライスフィールドと渓谷の緑が豊かなウブドは、スピリチュアルなパワーが強いせいか、ヨガスタジオが他のエリアよりも多く、ヨガのためのスペースを併設しているホテルもたくさんあります。TAMAOさんによるヨガリトリートの後半はウブドに移動。バリをよく知るTAMAOさんがセレクトしたホテルは、ワイルドな自然に囲まれ、とても静かでプライベートな空間だったと言います。宿泊客はリトリートの参加者のみという贅沢な環境だからこそ、ヨガに集中でき、いろいろなものを感じとれる、一瞬一瞬がスペシャルな時間となりました。

コテージのドアを開けると、目の前に広がるウブドの朝焼け。リゾートホテルにつきもののプールも、ホテルを流れる川がプール代わりというワイルドさ。

 ウブドでの2日間は、かなりしっかりヨガに取り組みました。ナディシュナディ(片鼻呼吸)と呼ばれるプラーナヤーマ(呼吸法)と瞑想から始まり、陰陽ヨガやペアヨガ、リストラティブヨガに、さらにはテンセグリティーヨガ®など2時間以上やりました。テンセグリティーヨガ®とは、ACOさんという日本人インストラクターが考案したヨガで、自分自身で微調整しながら(セルフアジャストメント)ポーズを取る、とても自立したヨガです。できるだけ最小限の力で最大限の安定性やパワー、心地良さを味わうことに挑戦してもらいました。

バンブーを組んで作られたヨガスペース。テンセグリティーヨガ®の中でも分かりやすく、ユニークなのがゴムを使って行うワーク。体の軌跡を、車輪の中央から放射状に広がるスポークのようなイメージで、円を描きながら動いていきます。どこにも効かせどころを作らずに、全身のエネルギーを活性化してゆくのがポイント。

スポーツとヨガは相性がいい

 考えることが多い日常生活の中、緑溢れるバリの大自然に身を委ねると、もう何もいらない、十分満ち足りている気持ちになります。その空気を時間を感じているだけで、自然と笑顔になれるんですね。ヨガリトリートといえば、ベジタリアン料理が出てくることが多いと思いますが、私のリトリートは肉あり、お酒ありです(笑)。好きなものを美味しく、みんなとその時間を楽しく分かち合う、そんなバランスが大事かなと思います。

 最近サーファーの仲間もヨガをやり始める人が多いく、逆にヨガの仲間もサーフィンに挑戦する人が増えています。サーフィンをすると筋肉が肥大していきますが、ヨガは柔軟性を高めながらも普段あまり使うことのない小さな筋肉などを強化してくれる。わたし自身、サーフィン、トライアスロン、フラダンスをしていますが、全て使う筋肉が違います。ヨガはスポーツで緊張した筋肉を解し、均整のとれた体を作ってくれる。しなやかで柔らかい筋肉がつき、ケガをしにくくなる。ヨガは体を柔軟にさせながら、細かい筋肉を強化される。更に、精神面な安定がヨガの最大のメリットかもしれない。ヨガでスポーツの準備と回復にもっとも効果的なのは呼吸法だと思います。例えば大きな波が来た時、神経が高ぶって呼吸が浅くなったら、呼吸法で不安を抑制します。それでも興奮しますが、随分冷静になれるし、視野も広がる。呼吸ってリラックスした感覚と集中が同時に得れるし、ストレスを発散される気がします。結果どんなスポーツでもヨガは役に立つ。普段ヨガで体幹が鍛えれているお陰?!でか、2年前に始めたトライアスロンでは千葉の館山と宮崎のシーガイヤのレースで、エイジ優勝することができました。実は結果を知らずに先に帰ってしまって、通知書を見て『エイジ優勝している?!ワオ!』ってなったりして(笑)。人間って歩くのが基本な動物だから、歩くためにはやっぱり軸、体幹がないとどんどん身体が疲れてしまう。身体づくりの基本としてヨガをやっておけば、トライアスロンもサーフィンも、もっとパフォーマンスが向上すると思います。

 ウブドでの最終日には、ミュージシャンのKEISONが合流してくれました。シャバーサナの時間を、鳥やカエルの鳴き声に溶けこむようなKEISONのギターと共に過ごします。それは本当に本当にスペシャルな時間でした。シャバーサナの後は、Farewell Party、そしてKEISONのライブを楽しみます。目を閉じて寝転がったりと、みんなそれぞれリラックススタイルでKEIOSNが奏でるギターの音色に耳を傾けていました。

TAMAOさんとはサーフィン仲間でもあるミュージシャンKEISON。アコースティックギターの音がウブドの自然と共鳴するよう。

自分に対して自由になること

「リトリートのプログラムは6日間で終了しましが、翌日はウブドで開催されたバリスピリットフェスティバルに参加しました。これはヨガ、ダンス、ヒーリング、セラピーなど、100以上のワークショップを受けることができ、世界中から有名なインストラクターが集結する年に一度の祭典です。

広大なスペースに10ステージも用意され、会場にはオーガニックフードハウスやヨガウエア、雑貨のブースが立ち並んでいました。

オープンエアの芝生の上でペアワークを開催中。

ランチはすべてベジタリアンフード。

 たくさんのプログラムがある中で、わたしが夢中になったのは、実はヨガではなくケチャダンスでした(笑)。ケチャのワークショップで1時間半、みっちりケチャダンスを仕込んでもらいました。みんなと呼吸を合わせながら、ケラケラ笑いながら、あっという間の時間。めったにない貴重な経験ができました。

ものすごい迫力で見る人を惹きつけるケチャダンス。踊っているダンサーもみな笑顔で楽しそう。

 どのワークショップもとても興味深かったのですが、何より面白かったのが、ヨガのレッスン中にいきなり歌ったり、踊ったり、中には両手を挙げて、宇宙と交信している人もいて、参加者たちが本当に自由だったことです。日本では考えられないことですが、みんな自分の気持ちに素直で正直なんですね。日本人は、話をちゃんと聞いてくれるし、高い集中力で最後までポーズをしてくれて、それは本当に素晴らしいことで、実際にポーズの上達も早いでしょう。でも、もう少し自分に対して自由に正直なって、力を抜くことも時には必要なのではないかと、このフェスティバルに参加して感じました。
私自身、これまでにも海外を含め、いろいろな先生のもとでリトリートに参加しましたが、いつも最後に想い出に残るのは、人。その土地やそこで出会う人達と繋がる時間が何より愛おしい。そこ集まった仲間も、たまたま一緒に集まった参加者というだけですが、同じ時間を共有した分、スペシャルな存在になれる。これからも一期一会を大切にしたい。

 わたしは教えているヨガの種類もさまざまですが、普段のレッスンでは紹介しきれないものもあるので、これまでにない新しい経験をリトリートの参加者には体験して欲しい。そしてやるからには、スタジオの中よりもその土地の、その季節の自然を味わいながら全魂でヨガを体感した方が何倍も楽しいはず。自然やヨガを通して、心身が健やかに豊かになっていく、人と人が繋がっていく、そんな心地良い輪を広げていきたいです。これからどんな冒険や出会いが待っているのか、毎日わくわくしています。

TAMAO(岩崎玉緒)
海と自然をこよなく愛するヨギーニサーファー。日本体育大学卒業後、カナダの小学校で日本語教師を経て、航空業界に勤務。世界中を旅しながらヨガを学ぶ。70歳になっても海や山で遊べる健康な心身を保つために地道なプラクティスを続けている。現在は、アウトドアフィットネスを中心にビーチヨガ、パークヨガを指導。バリ島ウブド、沖縄、伊豆など国内外にて“サーフ&ヨガリトリート”を開催。ヨガ本、雑誌の監修、自身もヨガモデルとして出演。趣味はサーフィン、フラダンス、トライアスロン、旅。http://ameblo.jp/tamao-smile