(撮影 村松賢一 / 文 中島良平)

 10月28日に初号が発刊されたonyourmark発のスポーツライフスタイルマガジン『mark』との連動企画としてお届けするランナーズ対談。その第二弾のテーマは「寒い季節のランニング」です。ランニングクルー『AFE』に所属するランナーで、ジャスミンの愛称で親しまれているモデルの瀬畑茉有子さんと、陸上競技選手、プロハードラーの秋本真吾さん、日ごろからランニングやトレーニングに深く関わるおふたりに、寒さに負けないランニング・ティップスを聞きました。

『mark』誌で掲載されることのない、ウェブ版のみの貴重な対談をお楽しみください!

防寒用のウェアはコンパクトになるものを(瀬畑茉有子)

ーーもうすぐ冬です。寒い季節のほうがケガをしやすいイメージがあります。

秋本真吾  たしかに陸上の短距離は冬に大会が行われることはありません。筋肉を柔らかくしておかないと、短距離や投擲のように1回でドンと力をかけることができず、パフォーマンスが出なくなるからですね。だから冬はケガをしやすいとも思われがちですが、筋肉がガチガチな状態でいきなり走り始めることはせず、しっかり動的ストレッチをしていれば問題ありません。アスリートの場合は逆に、シーズンの最中に調子よく走れているときのほうがケガしやすかったりするんですよ。回転が上がり過ぎちゃうような感じで。

瀬畑茉有子  これが正しいのかどうかわからないんですけど、寒くなると私は走る前にホットのブラックコーヒーを飲みます。ブラックコーヒーには燃焼作用があるって聞いて、実際に飲んでから走ると身体も結構熱くなるのと、あとは冬って脂肪を付けようとするから燃焼しづらいじゃないですか。だから、身体をちょっと温めて燃焼させるみたいな感じです。

ーー他にも冬のランニングで習慣づけていることとかありますか?

瀬畑茉有子  手袋とレッグウォーマーはつけて走りますね。あと、ハンドクリームを塗ってから手袋をつけると、自分の汗の蒸発とクリームの浸透で結構手が柔らかくなるので、ハンドクリームを塗ってから走るようにしています。防寒用のウェアとしては、すごく小さくなるものを着て、暑くなったら脱ぐようにしますけど、ナイキのこのベストは、軽くて持ち運びにも優れているのに、防寒機能がしっかりしてると思いました。基本的にはこういう軽めのものを選んで、冬になってもあまり着込まないですね。普段は冬にタイツもはきますが、たまにタイツをはかずに短パンだけで走ったりするんですよ。一週間に一度は皮膚に風が当たる日を作ると、冷たい風で足が引き締まって、皮膚の“垂れ感”が変わるんです。

秋本真吾  短距離の選手はしないですけど、中距離の選手とかは、たしかに寒いときにあえて短パンでトレーニングしたりしますね。短距離のように瞬間的に大きな出力をかけるのではなく、ある程度の持続力を筋肉に持たせるためは冷たい空気もいいのかもしれません。あと、このベストはすごく軽くて生地も柔らかい素材だったので、重ね着もしやすかったです。ベストは保温性があることを再確認できたので、冬には役立ちますね。

寒さ対策に欠かせないショウガとキムチ

ーー冬に食事で気を使っていることはありますか?

瀬畑茉有子  私はお酒も好きだし、甘いものも好きなので、そこまで節制しているわけではないですけど、GI値(=炭水化物が消化されて糖に変わる速さを相対的に表す数値)を意識して、急に血糖値を上げないように野菜から食べるようにしたり、白米ではなく玄米を食べたり、根菜類を食べたりはしますね。そういうのをベースとして意識しつつ、冬は身体を冷やさないようにショウガを使った料理をしたりもします。

秋本真吾  ショウガはたしかにいいですね。僕がハードルの現役時代にサポートしてもらっていたのがサプリメントの会社で、そこがショウガのサプリを出していたんですね。外からウェアを着て温まる方法と、内側から温まる方法があると思うんですけど、当時はそのサプリを飲んでから練習をしていて、たしかに温まりましたから。

瀬畑茉有子  ショウガはやっぱりいいんですね。他に冬のお勧めはありますか?

秋本真吾  冬だけじゃないですけど、僕はキムチを毎日食べてますね。脂肪の燃焼がいいとかもあって駒沢大学の駅伝部がそうしているのを高校の頃に知って、真似して食べ始めたんですけど、おいしいというのもありますし、そのころからほとんど必ず食べてます。ただ、僕は基本的に運動をした分だけ食べたくなるんですよ。ウェイトトレーニングをしたあとは絶対にお肉を食べたくなりますし、スピードを上げるための激しいトレーニングをしたあとは炭水化物をとりたくなるんで、そのときに欲しくなるものを純粋に食べています。冬は決まって激しいトレーニングばかりなので、大体毎日ご飯やパスタを食べたくなるんですよ。シーズンが近づいてきて技術的な練習が多くなると、そういうのをまったく食べたくなくなって、軽食になります。

瀬畑茉有子  私は鏡を見て、そのときに何を食べるか決めていますね。少し前にお肉とお魚を止めていて、やっぱり好きなんで最近食べるようになったんですけど、見え方が変わった気がします。お肉と魚を食べていなかったときは青白いというか、なんかフラットだったんですよ。でもまた再開したら、立体的でツヤが出るというか。ベジタリアンの人が豆腐や豆類をとるようにするのも、私たちがお肉や魚を食べるのと近いんでしょうね。あとは、食べ物じゃないですけど、フルマラソンをやると細かい部分の筋肉がきれいになって、身体の見え方が変わると感じましたね。

フォームを整えるために意識するのは“姿勢と目線”(秋本真吾)

ーー身体の見え方とフォームともつながっていそうですね。

瀬畑茉有子  肩甲骨を意識して腕を振るようにしていますね。肘が後ろに引っ張られるような感じというか、肩甲骨に羽根ができるようなイメージで走ると、肺が広がって呼吸もしやすいし、腕を振る分だけ足も出る。足をあまり上げないで、上半身を動かして足は付いてくるイメージですね。胸が前に出る感じで、足を上げ過ぎず、脚力をキープしながら長距離を走ります。

秋本真吾  子どもたちにも必ず教えているんですけど、いいフォームを作る基本は“いい姿勢”です。いいスポーツ選手は絶対に姿勢がいいと感じます。ウサイン・ボルトも美しいし、トップのマラソン選手は基本的にきれいな姿勢で走っていますよね。子どもたちの運動会を見ると、よく自分のコースからはみ出てしまう子がいたりしますよね。あの原因って、隣の友だちをつい見てしまうからなんです。人間って、見た方向に曲がってしまうものなので、まっすぐ前を見て走ろうって教えると、大体フォームがすぐにきれいになるんです。運動する前提として姿勢と目線も同じくらい意識をすることが大切だと思いますね。

Tips for Winter Run
1. 運動前後のストレッチは入念に行い、筋肉を柔らかく
2. ランニング前のホットコーヒーで燃焼を高める
3. 小さくまとまり着脱しやすい防寒ウェアをうまく活用
4. ショウガやキムチを習慣的に取り入れた食事も燃焼を高める
5. 姿勢と目線がランニングフォームを整える

FLASH RUN TALK 秋本真吾×瀬畑茉有子 #01 ナイトランの醍醐味

秋本真吾(あきもと しんご)
2012年まで400mハードルのプロ陸上選手として活躍。日本のビックゲームに数多く入賞。北京オリンピック強化指定選手。200mハードルアジア最高記録、日本最高記録、学生記録保持者。現在はプロハードラー/スプリントコーチとして、子どもからプロスポーツ選手までの指導を行う。地元の福島県「大熊町」を想い陸上クラブチーム「ARIGATO OKUMA」を立ち上げ、自ら所属し2013年に現役復帰を果たした。http://www.akimoto405.jp/

瀬畑茉有子(せはた・まゆこ)
ランナーとしての愛称は、ジャスミン。女性誌や広告などで活躍するモデルでありながら、ランナーでもある。アメリカ西海岸で1977年に設立された伝説の陸上競技クラブ「ATHLETICS WEST」にインスパイアされ、発足した「ATHLETICS FAR EAST(AFE)極東競争部_東京」に所属する。
http://athleticsfareast.tumblr.com

nike.com/running