(文 小矢島一江 / 語り手・写真 TAMAO)

豊かな自然と人々が共生し、「神々の島」と形容されるバリは、多くのヨギーニ/ヨギーを魅了する島でもあります。バリ土着の宗教儀礼とヒンドゥー教の習合によって生まれたバリ・ヒンドゥーと呼ばれる信仰がベースにあるので、ヒンドゥー文化から生まれたヨガとはもともと相性がいい土地なのでしょう。

ヨガインストラクターとして国内外各地でリトリートを開催しているTAMAOさんも、バリを愛するヨギーニの一人。今年の3月にも4泊6日のリトリートを主宰しました。自然をリスペクトし、アクティビティを存分に楽しむことを大切にするTAMAOさんならではのリトリートは、バリの東沖に浮かぶレンボンガン島からスタートしました。

ヨガとサーフィンで自然と繋がる

ヨガのインストラクターとしてリトリートを主宰するようになったのは4年前からです。私にとってヨガはもちろんですが、サーフィンができることも、とても大切な要素なんです。ヨガで大地と身体の一体感を、サーフィンで波と身体の一体感を感じることができる。アドレナリンが出て気分が高揚するサーフィンが動(陽)だとしたら、ヨガは心をニュートラルな状態に戻してくれる静(陰)。心と体のバランスを保つにもヨガとサーフィンの相性は良い。

バリはヒンドゥー教の中で、『水の聖地』と言われていて、海の近くに身を置くだけでも元気がもらえて、スピリチュアルな感覚を体験できる。今回のリトリートでは、前半はレンボンガン島やジンバランで海と関わり、後半はウブドの森の中で過ごしました。

レンボンガン島はバリのサヌールからシャトルボートで35分、1周3時間もあれば歩けるほどの大きさで、島の東側にはマングローブの原生林が広がっています。

マングローブの森を抜け、スタンドアップパドルやシュノーケルで思い思いに海を満喫。

一緒に遊んだローカルの子どもたちは、サーフィンが本当に上手だった。

リトリートにアウトドアスポーツを取り入れるワケ

ヨガのリトリートといえば、ヨガを朝晩みっちり練習、瞑想、アーユルベーダを勉強して…とにかくヨガに集中すると思うのですが、私のリトリートの場合は、ヨガの練習は一日一回とかなりゆるいペース(笑)。

ただある意味では、ヨガ以上に体を動かし、心を揺さぶる貴重な経験が待ってます。では、ヨガの時間以外は何をしているのかというと、アクティビティを楽しんでいます。例えば、サーフィン、シュノーケル、ラフティング、山登りなど…。身体を使って自然と遊ぶことが一番のメディテーションだと思うからです。アクティビティを通して、参加者の仲が深まり、その土地や文化を学ぶこともできるし、何より楽しい。参加者の多くが都会からいらしているので、普段体を使ってどっぷり自然と関わることは多くはない。

自然の中で遊ばせてもらうと、思わぬ展開もあり、素晴らしいことだけでなく厳しさも経験するかもしれない。でも全てが肥しとなる。最後は自然の偉大さに感動し、リスペクトし、感謝し、大切にしようと思う心が育まれる。私がそう仕向けるのではなく、参加者が体験すると自然にそのような気持ちになるんです。だからリトリートは、考えずに五感を研ぎ澄まして、ただただ感じて欲しい。

レンボーガン島から戻って一休みしたあとは、夕方からジンバランの海でサンセットヨガ。サンセットを眺めながらの瞑想をしたり、ペアワークをしたり。海のエネルギーを身体全身で味わいます。

3日目の朝は、日の出に合わせてヨガをするため、朝5時30分に集合。ジンバランの海はサンセットが有名で、サンライズは海と逆方向から太陽が顔を出すため、日の出が見えるわけではありません。それでも辺りが刻一刻と明るくなっていく瞬間が幻想的で、心震える美しい光景でした。朝から太陽のエネルギーを浴びて、体も心もパワーがみなぎり、みんなの顔も自然にほころびます。

波の音を聞きながらのシャバーサナは、ビーチヨガならではの贅沢な時間。

海から帰ってきたあとはプールへ直行。

自然に囲まれたレストランで味わうオーガニックフードは格別な美味しさです。

 

『水の聖地』でリトリートする意味

今回のリトリートでは、『自分自身を癒す』というのがテーマでした。言葉通り、わたしが癒すのではなく、自分自身で自然を体験する中で癒されて欲しかった。だからヨガも、スタジオより太陽の温かさや潮風を感じながら海辺で行うことが重要だと考えていました。
海、そして水っていうのは流れるものだから、浄化作用があるんですよね。今回の参加者に、瞑想中に涙を流す人もいた。セッションが終わった後に本人が、『執着する気持ちが流れて心が軽くなった。』と話してくれた。心の容量がオーバーになったら涙と一緒に流して、心の掃除をすればいい。海には不思議と心を浄化してくれる力がある気がします。バリはこれまで各地に滞在しましたが、美しいサンセットを見たかったのと、海の神様に手を合わせたくて、ジンバランに決めました。本当におすすめのパワースポットです。来年のリトリートでは、サーフィンもプログラムに入れたいですね」。

ジンバランのサンライズ。1日の始まりを祝福しているような神々しさ。

海辺の街で心と身体をリセットした後は、ウブドに移動。リトリートの後半ではいよいよヨガを深めていきます。

(つづく)

TAMAO(岩崎玉緒)
海と自然をこよなく愛するヨギーニサーファー。日本体育大学卒業後、カナダの小学校で日本語教師を経て、航空業界に勤務。世界中を旅しながらヨガを学ぶ。70歳になっても海や山で遊べる健康な心身を保つために地道なプラクティスを続けている。現在は、アウトドアフィットネスを中心にビーチヨガ、パークヨガを指導。バリ島ウブド、沖縄、伊豆など国内外にて“サーフ&ヨガリトリート”を開催。ヨガ本、雑誌の監修、自身もヨガモデルとして出演。趣味はサーフィン、フラダンス、トライアスロン、旅。http://ameblo.jp/tamao-smile

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