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名前:雪男は向こうからやって来た
著者:角幡唯介
発行:集英社
発売日:2011年8月31日
ページ数:338ページ
価格:1600円+税
関連のスポーツ:登山

”雪男”の本と聞くと、またトンデモ本かと思う方も多いと思います。しかし、今回ご紹介する『雪男は向こうからやって来た』の著者 角幡唯介さんは、『空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』で開高健ノンフィクション賞、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した若手ながら重量感のあるノンフィクションの書き手です。

早稲田大学探検部に所属し、その後朝日新聞社で新聞記者を務めた著者が、仕事をやめて最初に取り組んだのがこの雪男捜索プロジェクトでした。その経緯から著者がノンフィクションライターとして独り立ちしてゆく脱サラストーリーもこの本の見どころのひとつになっています。

また、雪男目撃の歴史を概観してゆく過程では、元新聞記者らしい調査や取材が活かされています。面白いのは著名な登山家が意外にも雪男を見たと証言していること。女性として初めてエベレストに登頂した田部井淳子さんの目撃談はとても鮮やかです。他にも服部文翔、芳野満彦、さらには山田昇といった山好きのには馴染みの面々がそこかしこに登場してきます。冒険家、登山家のネットワークを垣間みる楽しみも、この本にはあるのです。

そして肝心の雪男捜索の結末と、著者 角幡唯介さんの雪男に対する見解とは。それは、実際にこの本を読んで確かめてみて下さい。

(文 onyourmark編集部)