カラダ付きに男女差があるように、脳にも男女差がある。キーワードは右脳と左脳だ。
大脳を真上から見ると真ん中に深い溝があり、右半分と左半分に分けられる。この右半分を右脳、左半分を左脳と呼ぶ。
肺や腎臓のように左右一対の臓器ではその働きに明らかな左右差はないのに、右脳と左脳では機能が異なる。脳のもっとも深いところにある脳幹に違いはないけれど、それ以外の大脳皮質と大脳辺縁系では左右差があるのだ。

ひと言でいうと右脳は直感的で左脳は論理的。右脳は視覚的な情報の処理や空間把握能力に優れており、左脳は言語や理論、コミュニケーション能力に優れている。右脳と左脳の発達度合いは人それぞれで個人差が大きいが、アベレージを見ると男性には右脳優位型、女性には左脳優位型が多い。

男性では右脳が発達しているタイプが多いので、女性より空間や方向の感覚に秀でている。人類が地上に誕生した頃、私たちの先祖は狩猟採集で食糧を得ていたが、すみかを出て食べ物を探すのは女性よりも体格が良く、体力がある男性の役割だった。そう考えると男性に右脳優位型が多いのも頷ける。
対照的に女性には左脳が発達している人の割合が高い。その豊かなコミュニケーション能力はいまも昔も子育てにはなくてはならないものだ。

右脳と左脳は独立しているわけではなく、脳梁というブリッジでリンクしている。女性は男性より脳梁が発達しており、右脳と左脳がバランス良く使える。ゆえに男性には右脳が左脳より大きい人が多数派だが、両者をバランス良く使う女性では右脳と左脳の大きさに差はないそうだ。

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(文 井上健二/イラスト 清水将司)