建物を支えるのが鉄筋コンクリートだとしたら、カラダを重力に対して支えてくれているのは骨格。骨格はおよそ206個の骨から構成されている。
実際のところ、骨は鉄筋コンクリートと非常に似た作りをしている。繊維状のタンパク質(コラーゲン)が鉄筋のように強靭さを生み出し、そのまわりに硬く結晶したミネラル分がコンクリートな硬さを発揮するのだ。

骨の大半を占めるのは「骨質」。骨質はさらに表層の「緻密質」と深層の「海綿質」から構成されている。
緻密質は、血管や神経が通る管(ハバース管)を木の年輪のように同心円状に組織が取り巻く円柱構造(オステオン、骨単位)がぎっしり詰まっている。その外側を板状の丈夫な組織(基礎層板)が幾重にも取り囲み、骨の剛性を高めて骨格の維持に貢献している。
海綿質は緻密質の内腔にあり、小さな骨が複雑に絡み合い、骨に加わる力を分散させて支えている。その間にはスポンジのような小さな空間(髄腔)が無数にあり、骨の軽量化にひと役買っている。
 骨の表面は「骨膜」という組織で覆われている。骨膜は骨全体をすっぽりカバーして保護しており、血管の密度が高く骨の新陳代謝をサポートする。さらに骨の異常を感知するために、神経ネットワークも発達している。向こう脛を打つと痛いのは、脛の筋肉が薄く、骨膜の神経ネットワークをダイレクトに刺激するからだ。

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(文 井上健二/イラスト 清水将司)