カラダの内部はある一定の環境に保たれている。これがホメオスタシス(恒常性維持)。血液の浄化、体液の維持や血圧のコントロールといったホメオスタシスのために欠かせない臓器が腎臓。腰よりやや上の高さにあり、空豆のような形をした左右一対の臓器である。重さは約130gで長さは10cmほどしかないけれど、その構造はかなり複雑。
腎臓の基本ユニットにあたるのが、ネフロン(腎単位)。ネフロンは腎小体と尿細管からなる。
このうちの腎小体はさらに糸球体とボウマン嚢からなる。糸球体は直径0.2mmほどのボール状で、毛細血管が毛糸玉のように絡まっており、それを二重の細胞壁を持つボウマン嚢がすっぽりと覆う。尿細管は急カーブを描く長さ5cmほどの管である。

ネフロンは左右合わせて100万個もあり、全長は100kmにも達する。その稼働率は約30%。腎臓が担う機能は極めて重要なので、3分の1ほどが稼働していれば通常レベルの業務はこなせる余裕のある設計になっているのだ。腎臓がダウンすると、その機能を代替する人工透析を行わないとホメオスタシスが保たれなくなり、死を招く。

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(文 井上健二/イラスト 清水将司)