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42.195キロのなかには自分に負ける瞬間と勝てる瞬間があるー 「名古屋ウィメンズマラソン2013」オフィシャルサポートランナーの就任発表後、間もなくおこなわれた安田美沙子さんのインタビューでの、印象的な言葉のひとつだ。

2008年からランニングをはじめ、今年の3月に開催された「名古屋ウィメンズマラソン2012」では、目標に掲げた3時間45分を切り、自己最速タイムの3時間44分56秒(ネットタイム)でゴール。

昨年はトライアスロンにも挑戦し、鹿児島県の指宿トライアスロン大会では51.5キロ(スイム1.5キロ・バイク40キロ・ラン10キロ)のコースを3時間35分53秒で完走。さらに、同じ年の佐渡国際トライアスロン大会にもエントリー。236キロ(スイム3.8キロ*当日は台風の為2キロに変更・バイク190キロ・ラン42.2キロ)のコースに挑み、残念ながらラン32.3キロ地点を制限時間の30秒遅れで通過、完走には至らなかった。

多くのアストリートから共感を呼ぶ彼女のチャレンジ精神。いったい何が彼女をそこまでレースへと掻き立てるのか。

一度フルを走ったら
満足すると思ってた

最初は4キロから走りはじめたんです。それで1、2週間やって、3週間目に8キロを走ったら、とんでもない筋肉痛になってしまったのを今でも覚えていますね。

当時私は、ホノルルマラソンの完走を目指していました。走り始めたきっかけは、2008年の新年会のなんでもない会話からだったんです。その席にたまたまランナーの方がいて、「ホノルル走ったら絶対にいいからやってみなさい」と言われて、ピンときてしまった。これは直感でしたね。「走らなきゃ、一生後悔する」。そう思ったら、お正月休み中に事務所の社長に電話をいれていて、年末のスケジュールを空けてもらってたんですね。「絶対に走ります」と伝えて。

それから本格的にトレーニングをはじめたのは大会の半年くらい前。練習のかいもあって、完走することができたんですけど、いざ走ってみると、全然満足できなかったんです。むしろ、もっと走りたいって気持ちが芽生えてしまったんです。

続けるコツはハンバーガー?
頑張る理由を作る大切さ

1回目のレースを目指していた頃は、初めてのレースということもあって、楽しい気持ちばかりでした。走った後はごはんもおいしいし、だんだん距離が伸びていくのはやっぱり嬉しくて。でも、2回目のレースに向かうときは辛かった。膝も痛めてしまい、休むことの必要性も知りました。あと、走った自分へのご褒美も必要なんだなって思うようにもなりました。ストイックなだけでは長続きはしないんです。

私は走るとハンバーガーを食べたくなるんですよ(笑)。それで頑張ったら自分へのご褒美で食べにいく。もちろん、それだけではなくて、自分なりにいろんなご褒美を準備するようになったんです。

頑張る理由を持てるってとても大切なことだと思うんです。レース中にもそういうことはあって、一番辛い30キロ地点で、元気がでるメッセージを自分の身体に書いていたのをこっそり読んだり、お母さんに感謝して自分を奮い立たせたり。

レース中に繰り返される
自分に負ける瞬間、勝てる瞬間

大会に出場することは挑戦です。日常生活のなかで、自分自身が何かに挑戦することってそんなにないと思うんです。もちろん、仕事で立つステージはありますよ。でも、タレントとしてではなくて、ひとりの人間として挑戦することってこれまであまりなかったんです。

42.195キロの道のりの中には、自分に負ける瞬間と勝てる瞬間が幾度となく訪れるんです。辛い局面で負けてしまったり、辛くても頑張れたり。その繰り返しで。振り返ると、やっぱり自分に負けることはすごく悔しい。あの瞬間、自分に嘘ついたなーって思い出すと、まだまだだなって思います。いつか私は、どの瞬間も自分に勝って、完璧なレースをしたいんです。

勝てる瞬間を増やしてくれた
効果的なトレーニング

フルマラソンなどの長い距離を走ろうと思っているランナーの方には、インターバル走はすごく効果的だなって思います。息切れしてしんどいやつですけど(笑)。最大心拍数に届くぐらいの、負荷の高いスピード走をして休み、また走り、それを繰り返すトレーニングです。短期集中で心肺を強くし、持久力を高めてくれるんです。きつい経験をしておくと、身体は覚えていてくれてますので、本番のレースの大事な局面で耐えることができます。

レースの準備期間には、トレーナーさんの指導のもと、ハードなトレーニングを敢えて入れています。今でも鮮明に思い出せるのは、真冬の皇居の30キロ走。フルのレースに出る一ヶ月ぐらい前に、毎回ロング走を入れるんですけれど、これもめっちゃきつい。この日は、雪まじりの雨も降っていてもう泣きながら走ってました。

ただ、フルマラソンまでのトレーニングがすべてハードなわけではありません。そういったトレーニングはポイント、ポイントで入れていて、日々のトレーニングは楽しくやっていますし、ときにはトレーニングの場所を変えて、海沿いのコースを走りに行ったり、環境や景色を変えるんです。

女性なら誰もが走ることで
美しくなりたいと願うはず

今年の「名古屋ウィメンズマラソン2012」を走って体感できたんですが、トライアスロンのアイアンマンレース(スイム3.8キロ・バイク190キロ・ラン42.2キロ)にチャレンジしたことで、42.195キロがすごく短く感じられるようになったんです。

これは収穫だったと思います。肉体的にも、水泳、バイクのトレーニングを重ねて、身体の軸もしっかりしました。これによって走るときにあまり意識しなくても上半身が力強く動くようになった。おかげで、レースの後半まで、足を残せるようにもなったんです。

私は日頃のランニングから、身体のバランス、走るときのフォームにすごく気を使っています。女性なら誰だって綺麗につながる走り方を追求していたいじゃないですか? 走ることで、女性としてプラスになったらいい。アドレナリンが出て気持ちも前向きになって、ボディラインも整う。もともと疲れにくいように全身を使って走ることを意識していますけど、これは特定の箇所だけが過剰に太くならないためでもあります。

とくには私はふくらはぎが太くなりたくないので、足の太い筋肉の部分を使おうと意識していて。

「名古屋ウィメンズマラソン2013」のオフィシャルサポートランナーにも選んでいただいたので、大会へ向けて、自己新記録を目指すだけではなくて、ビューティーのためのランニングフォームも追求していけたらと思っているんですね。

安田美沙子(やすだ・みさこ)
タレント、女優、ナイキサポートランナー。「名古屋ウィメンズマラソン2012」では自己最速タイムの3時間44分56秒(ネットタイム)を記録。来年開催される「名古屋ウィメンズマラソン2013」では、前回同様、大会を応援するオフィシャルサポートランナーに就任。新たな目標を掲げ、Nike+ Runningを駆使したトレーニングに取り組んでいく。

「名古屋ウィメンズマラソン2013」へ向けて
安田美沙子さんを支えるナイキ最新のプロダクトを紹介

●ナイキ ルナグライド+ 4 シールド・2色展開・価格 12,915円
「レースまでのトレーニングで履くとき用のランニングシューズです。私は逆外反母趾という、特徴的な足の持ち主で、足の負担がひと一倍かかってしまうんです。硬さの異なる2つの「ルナロンフォーム」を組み合わせた安定したソールの快適さはとても実感していますし、アッパー部分がニット素材の編み込みになっているので、通気性とサポート性も高い。これによって足のむくみにも柔軟に対応してくれるので、疲れづらいんですね」

●ナイキ DRI-FIT エレメントシールドマックスジャケット・2色展開・価格 16,800円
「夜のトレーニングのときに役立つウエアです。街灯の少ない薄暗い状況下でもランナーを視認できるように、再帰反射力の高いリフレクターが施されているんですね。さらに、雨や風からも保護してくれ、フードも調整可能なので広い視野を確保しながら頭部を保護できます。そして便利なのが背中にあるセキュアジップポケット。ちょっとした小物をすべて収納することができるんです」

(文 村松亮 / 商品撮影 鈴木泰之)