食べ物の内容によるけれど、通常は食後およそ5時間で大腸の入り口に消化物が到達。食後24時間から最長72時間かけて大腸で水分を吸収された後、排便される。
それ以上時間がかかり、何らかの苦痛があるのが便秘。便秘の大半は排便機能の障害から生じる「機能性便秘」。機能性便秘を防ぐもっとも手軽な手段は、朝食を決められた時間に摂ることだ。
カラダの出口である肛門方向へ消化管の内容物を押し出す動きを蠕動運動と言うが、なかでも急激で強いのが「大蠕動」。朝食のように空腹時に食事を摂ると「胃結腸反射」という反応で大蠕動が起こり、大腸内の内容物を出口に近い直腸へ押し出し、排便が起きやすくなる。

便秘になると大腸の奥に宿便が溜まるという説もあるけれど、これもまた内臓版都市伝説。大腸には小腸のような輪状のヒダはないので、便の隠れ家は皆無。
断食しても排便があるのが宿便の証拠という説明もあるようだが、便には食べカス以外にも消化管から剥がれ落ちた細胞や後述する腸内細菌の死骸も含まれているので、絶食しても便が出ることに何ら不思議はないのだ。

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(文 井上健二/イラスト 清水将司)