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長さはおよそ1.6mと女性の身長ほど。小腸の外側を取り囲むように腹部に収まるのが大腸。太さは小腸の2倍ほどもあり、盲腸、結腸、直腸という3つのパーツからなる。

大腸の大部分を占めるのは結腸。結腸は上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸にわけられる。

食道、胃、小腸、大腸をまとめて「消化管」と呼ぶが、消化吸収は小腸までで終了しており、大腸自体に消化機能はほとんどない。厳密に定義するなら、消化器ではないのだ。

消化も吸収もしない大腸の役割は消化物から水分を吸収し、固形化して固い便を作ること。「便を作るだけなんて、大した仕事をしていない」と侮るなかれ。固い便は地上で生き抜くための大事な知恵。

金魚を見ればわかるように、魚類はフンを好きなときに出している。同様に自由に空を飛び回る鳥類も液状のフンを垂れ流しているが、陸上でフンを垂れ流していたら、匂いから居場所を知られて敵に襲われるリスクが高まり、獲物にも逃げられる。

そこで大腸という袋に貯めて水分を抜き、脳が決めた時間帯にまとめて出すというシステムが発達したのである。

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