語りどころ満載の忍者エクササイズ
衝撃の「シノビックス」を体験!

それは、あるライターさんからのタレコミメールがきっかけでした。
「シノビックスってご存じですか?忍者にニューハーフにエクササイズに何だか盛りだくさんですが、ぜひ潜入取材してきてください!」
ん!なにその組み合わせ?どういうこと??というワケで、編集部女子チームがカラダを張って話題のエクササイズを体験する「あのトレーニングをやってみた」。
今回は、1月末にスタートしたばかりというニューエクササイズ「シノビックス」を体験してきました!

「それではこれからシノビックスのレッスンを始めます。声を聞いていただければ分かる通りニューハーフなんですけど、その辺は一切ふれませんので、よろしくお願いします(笑)」という挨拶の主は、講師の妃羽理(ひばり)さん。
伊賀忍者の末裔として、麻績(おみ)服部流という忍術を受け継ぐ家系に生まれた正統継承者であるお方。幼少の頃から鍛錬を積んできたそうですが、ニューハーフであるが故に後継者を残せないことから、自分が受け継いだ忍術を、エクササイズとして世に広める決意をしたそうです。

忍者の精神統一法、九字護身法を学ぶ

エクササイズは、九字護身法を唱えながら行うストレッチからスタート。
「九字護身法とは、印を組みながら九つの文字を唱える精神統一の方法です。『臨・兵・闘・者・皆・陣・裂・在・前』というのをご存じかも知れませんが、これはずっと後世にできたものなんです。私が受け継ぐ麻績服部流のルーツは縄文時代までさかのぼる古さを持っていまして、縄文人が使っていた文字『ア・キ・サ・タ・カ・ハ・ワ・ヤ・エ』という言葉を唱えます」。
そういってお手本を見せてくれた妃羽理さん、胸の前で印を組みながら「アッキッサッタッ…」と腹筋を使い、一言ずつ力を込めて発する声は気迫に満ちて、それだけで空気がピリッと緊張します。

印を組む=指先が複雑な動きをすることで脳が活性化するのも大事なポイント。日々、危険にさらされていた忍者は、朝イチで脳を活性化させて、すぐに自分の身体が始動するように、この九字護身法を行っていたのだそう。
妃羽理さんの解説のもと、印の組み方を教わる参加者たち。なんかもうこれだけで忍者感がぐっと増しますが、面白いのはこれからです。

理にかなった忍者の動き

『ア・キ・サ・タ・カ・ハ・ワ・ヤ・エ』を1、2、3のカウント代わりにしながらストレッチを行った後、忍者の基本の構えのひとつ、一文字の構えを教わります。
これは、合掌から左手を前にずらして両手を胸の前で構え、胸を張るのではなく、くぼませて(これを、胸を含ませるといいます)、膝を軽く曲げる構え。腹筋も締まるので、この状態で敵から攻撃を受けてもダメージが少ないそうです。

構えに続いては、攻撃です。
「シノビックスの武術は、殺格身(ころしあてみ)という武術が基本になっているのですが、その最大の特徴は握りこぶしでパンチを打たないことです。甲冑を着ている相手を想定した武術なので、甲冑をごーんって殴っても手が折れちゃいますよね。だから甲冑をつけられない関節部分のツボを狙うんですよ。それから、手のスナップを効かせて相手の頭を打つのですが、これは外傷を与えるのが目的ではなくて、脳しんとうをおこさせるためなんです」。
さすが実戦的な武術だけあって、動きがいちいち理にかなっているなあと感心することしきり。
こうして手で行う3種の攻撃—–前手(構えに対して前にある手)で相手を打つ「切み(いさみ)」、腰をひねりながらパンチを繰り出す「直え(あたえ)」、相手の視界から一瞬手を消したあと、振り上げた手で相手のえらを狙う「曲(よこしま)」という動きを練習します。

正統継承者が語る、武術とダンスの関連性

これだけだと、単なる動きの鍛錬ですが、シノビックスがユニークなのは、こうした忍者の動きを取り入れながら、音楽に合わせて身体を動かすこと。
人気作曲家、樋口太陽氏(COWCOW「あたりまえ体操」の作曲&歌を担当!)によるオリジナル曲は、戦国時代が舞台の格闘ゲームのような雰囲気で、シノビックスを盛り上げます。

一文字の構えから、音楽に合わせてテンポよく、「顔面、えら、えら、顔面。顔面、えら、えら、顔面」とパンチを繰り出していくと、かなりの有酸素運動になって、全身から汗が吹き出すように。

またこの日2曲目のエクササイズは、武術とダンスの関連性がテーマ。妃羽理さん曰く「武術って、踊りに隠されて伝わることが歴史の中ではよくあるんですよ。能の観阿弥・世阿弥も実は服部家の人間だったんです。能の動きの中には忍術がいっぱい含まれているのですが、それを忍術として伝えると幕府にとりつぶされてしまうので、芸術に形を変えたわけです」。
例えば忍者の移動法、抜き足(音を立てずにすり足で歩くこと)は、まさに能の足の動かし方そのもの。
エクササイズはというと、忍者の動き、能の動きの他にも、ジャズダンスやヒップホップ、さらにはマイケルジャクソンのスリラーのダンスまで!古今東西のエッセンスを融合させた、非常にエンターテイメント性の高い仕上がりで、とても楽しく身体を動かすことができました。

何より、古来から伝わる忍術を体得しながら、妃羽理さんによる歴史裏話を聞けるのも、他のエクササイズでは太刀打ちできない、シノビックスの魅力ではないでしょうか。
もとはといえば門外不出、代々その正統継承者だけに口伝で受け継がれてきたという忍術。その秘法が、このような形で日の目を見るということにも、歴史の面白さを感じずにはいられません。
突拍子もないようですが、もちろんすべて実話です。
あなたもシノビックスで、壮大な歴史の一幕を目撃してみてはいかがでしょうか!

今回のメニュー
シノビックス入門(70分)
※シノビックスはエンターティンメントトレーニングチームのオリジナル商品です。

アナハタヨガスタジオ
住所:東京都世田谷区代田5-28-3 SIビル3階

日時:毎週日曜日、14:00~15:10

(イラスト 鈴木仁/文 小矢島一江)

【onyourmark あのトレーニングをやってみた アーカイブ】
♯01 フィリピン伝統武術カリ

♯02 マスターストレッチ
♯03 アフリカンダンス
♯04 スピニング
♯05 ハースイズム
♯06 スパインエクササイズ
♯07 刀エクササイズ
♯08 K-POPビクス
♯09 アイヨガ
♯10 スポーツ吹矢
♯11 ロシア武術システマ
♯12 アクアズンバ
♯13 マシンピラティス
♯14 ボルダリング
♯15 バー・オ・ソル
♯16 スポーツストレッチ
♯17 スポーツムチ
♯18 スラックライン
♯19 チベット体操
♯20 トレイルランニング
♯21 加圧トレーニング
♯22 リハビリによるマラソンフォーム改善
♯23 ベアフット・ランニング