効果的なトレーニングをするには、まず自分を知ることから。
自分の身体能力を客観的に測って、弱い部分を強化するためのトレーニングを紹介する「大人の体力測定」。第7回は、横開脚の柔軟性に注目しました。

テーマ:憧れの開脚!横開脚の柔軟性
用意するもの:100cm以上のメジャー

測定方法
①片膝を曲げ、もう片方の脚を伸ばして床に座る
②伸ばした脚のももの付け根から膝頭までの長さをメジャーで測り、記録する。
③その後、できるだけ横開脚を行い、その状態で両膝頭間の距離を測り、記録する。
④ももの付け根から膝頭までの距離と、横開脚した時の両膝頭間の距離から横開脚の柔軟性を判断する。

評価
「横開脚した時の両膝頭間の距離 ÷ 片脚のももの付け根から膝頭までの距離」を計算する。計算で出た数値により以下の判断を行う。

非常に良い ・・・・2.6以上
良い    ・・・・2.4~2.6未満
普通    ・・・・2.3~2.4未満
努力が必要 ・・・・2.2~2.3未満
悪い    ・・・・2.0~2.2未満
非常に悪い ・・・・2.0未満

例)ももの付け根から膝頭までが38cm、横開脚時の膝頭間が95cmの場合
    95 ÷ 38 = 2.5 ・・・評価:良い

スポーツ動作は横開脚が重要

日常生活を送る分には、ほとんど意識することのない横開脚の動き。たまに両足が180℃開く人を見ると、羨ましいなぁとは思っても、自分には到底できないし、そこまで柔らかい必要もないと思うかも知れません。
確かに日常生活で横開脚の動作が要求されることはほとんどありませんが、スポーツの場面では横開脚の動きがとても重要になります。
しかも、体操やダンス以外ではそこまで大きく横開脚する場面などないと思うかも知れませんが、野球やバスケットボール、その他多くのスポーツでも、実は横開脚の動きはとても重要なのです。

例えば、野球の内野手が守備についている時は腰を落として構えます。この時に横開脚の柔軟性が低いと膝を外に向けられず、膝が閉じる形になり、横への動きに非常に大きな制限がかかってしまうのです。
これはバスケットボールのディフェンス、バレーボールのレシーブなども同じことが言えます。
膝は外に向けて腰を落とせる方が、つまり横開脚できるほうが人は動きやすいのです。

「股関節が硬い」とは

一般的に「股関節が硬い」という言い方をしますが、この表現は適切ではありません。
股関節は、前屈の動きもすれば横開脚、縦開脚の動きもあり、その他にも無数の動きを行うため、股関節のどういう動きが硬いのかという判断が重要になります。
股関節の横への開きは「外転」という言葉で表現しますが、この「外転」の制限をしてしまうのが「内転筋」です。内転筋が硬いと開脚できないということになります。

つまり、この内転筋が硬いと多くのスポーツでは動きが悪くなり、そのことを指して、いわゆる「股関節が硬い」という表現に置き換えられているのです。

判定結果が思わしくなかった方は、以下のエクササイズで横開脚の柔軟性を高めてみてはいかがでしょうか。

改善エクササイズ

サイドスライド
①つま先を斜め45度外側に向けて、膝が90度に曲がるようにして、できるだけ開脚して立つ。
②両膝に手を置き、できるだけ腰を落とす。
③出来るだけ腰を低く保ったまま2秒で右に腰をスライドさせ、左ふくらはぎを2秒間、床に押しつけるように努力する。
④最初のポジションに2秒で戻り、同様に2秒で左にスライドして右ふくらはぎを床に2秒間押し付ける努力をし、2秒で最初のポジションに戻る。
⑤5往復行い、30秒ほど休み、また5往復する。

ポイント
①動作中はできるだけ上半身は起こしておく事。
②反動をつけて行わず、じっくりとふくらはぎを床に押し付ける事。
③膝が閉じないように、可能なかぎり膝を横に開く事。
④痛みを感じるまで行うと、かえって筋肉が緊張して柔軟性は向上しない。痛みを感じる手前程度を繰り返す事が重要。
                                               
内転筋の柔軟性を高めれば横への動きが良くなり、スポーツ上達への近道へもなります。
横開脚に対して苦手意識を持つ人は、特に男性に多いと思いますが、パフォーマンス向上のためにもぜひ取り組んでみてください。

(監修 清水忍/イラスト atsushi ave)

【大人の体力測定アーカイブ】
#01 ハムストリングスの柔軟性
#02 上半身のバランスを司る広背筋の重要性
#03 身体のコントロール能力を確かめよう
#04 パフォーマンス向上&肩こり解消にも!肩周りの柔軟性
#05 体力低下は脚筋力低下から始まる
#06 姿勢の維持に大きな役目を果たす腹筋力の測定

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