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半年間のトレーニングを経て、初レースとなる千葉マリンマラソンへ参加したOYMRC。メンバーにとっては、人生初レースや、自己ベスト更新といった、思い出に残るレースとなったようです。当日はあいにくの雨模様で、気温も3℃と低く、決して良いコンディションとは言えない状況でした。それでも、練習の成果を発揮しようとOYMメンバーのモチベーションは高く、スタート前は良い緊張感に包まれていました。


<radiodogscatsのレース当日まで>

今回のメンバーの中では紅一点のradiodogscatsさんは、半年前までは運動習慣の全く無いランニング初心者でした。最初は20分のウォーキングから始めて、次は10分のジョギングが出来るように。それから週2〜3回のランニングを続け、一回の走行距離も2kmから4km、6km、8km、10km、12kmと少しずつ長くなっていきました。

「ちょっとずつ走れるようになって、成果が見えるようになってきました。練習会では、みんなが声を掛けてくれるので続けられる。一人だったらたぶん続けてない(笑)」と言いますが、ランニングが生活の一部になってきたことは確かなようです。さらに、12月には21km走をこなし距離への不安もなくなっていました。

<レース直前に起きた異変。>

そんな彼女に異変が起きたのはレースの4日前でした。急性の腰痛で突然走れなくなってしまったのです。病院で診断してもらったところ原因は疲労でした。本番前に少し焦って練習を詰めて行ったのが影響したのかも知れません。その為、本番までは回復に専念し、スタート・ラインに立つことが出来ました。本番前に調子を悪くしたことで、身体のメンテナンスの大切さを知れて良かったと言います。またそれがレース前の高揚感に繋がったとも。スタート前は、途中で痛みが再発したら棄権する覚悟はしていたといいますが、「完走してみんなに誉めて貰いたかっただけ」とも。レースではどんな気分で走っていたのでしょう?

「最初の5kmは余裕じゃないですか。10kmも練習しているからまあ余裕ですよね。どの辺で飽きるだろうっていうのを自分の中で思いながら走っていたら、自分と対話しているようで面白かった。もういいよ、やめちゃいなよ、という悪い方の依田と、みんな応援しているし頑張んなよ、という依田と」という漫画みたいな体験を楽しんでいたようです。

「雨と寒さであんまり景色をあんまり楽しめなかったんですけど、前を走っている<全力投球>とプリントされたシャツ着ているおじさんって普段何やっているんだろう?とか、そういう楽しみは見つけましたね」

自分との対話や人間観察を続けたお陰かは分かりませんが、最後までレースを楽しめたようで、ペースを崩すこともなく見事に完走することが出来ました。タイムは1時間56分という記録でした。

「大人になってから、目標もって何かをやり遂げる、ってことが無かったから、(完走出来て)自信がつきました。走るっていうシンプルなことなのに、こんなに達成感があるんだ、って」

さらに今後もレースに出たいか?という質問に対しては「今回は初めてだったから完走を目指しただけで、正直タイムは気にしてなかった。次にレースを出るときは、目標タイムを持って行きたい」と、次回への意欲を滲ませてくれました。

<ハーフの自己ベストを22分縮めたmyzak>

myzakさんは、ハーフマラソン、フルマラソンの経験者ですが、OYMRCに参加する前はタイムが頭打ちになっていたと言います。この半年のトレーニングではメニューの9割方をこなすことができ、スピードもスタミナも飛躍的に伸びていました。その分、目標も自分の能力ぎりぎりのところに掲げてレースに臨んでいました。

「正直プレッシャーはありました。自分の目標である1時間30分を切るためには、4’15”のイーブンペースで最後まで走らなければいけないので、それが果たして出来るのか?という緊張がありました」

しかし、スタート後の混雑を抜けレースペースで走れるようになったのは3.5km付近から。それまでは5’30”〜5’20”ペースくらいでしか走れず、目標タイムに対して約3分のロスをしました。それを取り戻すには、残りの距離を目標ペースよりも8秒縮めて走らなければならず、それはオーバーペースになると判断。残りの距離を目標ペースで走ることに目標を切り替えられたお陰で、良い意味でリラックスし、落ち着いて走れるようになったと言います。

その結果、ゴールまでは失速なく完全なイーブンペースで走れたため、ラストの数キロはごぼう抜き状態だったようです。自分の力を出し切り、ゴールしたのは1時間33分(目標タイムからの遅れはスタート直後にロスした3分のみ)。自己ベストを22分も更新する快挙でした。今回の自己ベスト更新のきっかけとなったトレーニングとは、どんなものだったのでしょうか?

<レースで活きたmyzakのトレーニング>

「効いたかなと思うのは二つあって、ロング走を常にやっていたということもありますが、それよりもスピード・トレーニングです。普段よりも20秒とか10秒速く走る練習をしていたことで、4’15”で走る感覚を”速い”と感じなくなっていました。それがこのペースを維持出来るようになった理由だと思います」

見事に自己ベストを更新したmyzakさん。今後の目標は、心肺機能の強化と言います。今は、脚はまだ余裕があるのに、心肺でリミッターがかかってしまいスピードが上げられない。さらなるレベルアップを目指して、次なる課題を見つけることが出来たようです。

<初レースを存分に楽しみ、好タイムを出したmasaomi_m>

masaomi_mさんにとって今回が人生における初レース。これから先いろいろなレースに出ることがあっても、初レースはこの1度しかない。そのため、「思い切り楽しもう」という気持ちが強かったと言います。

千葉マリンマラソンの一般のスタートは、申告タイム順に並びます。masaomi_mさんは、エントリー当初はまだ弱気で、完走予想タイムをかなり遅目に申告していました。そのため、予想外に後方からのスタートになってしまいました。やはりスタート直後はなかなか思うように自分のペースに乗れなかったようです。

「レースペースに乗れたのは5kmくらい。それまでは目標としていた4’55”のレースペースに達しなくて、5’05”とか5’10”になっていた。それが心理的に良くなかった」

というのも、前半のロスを取り戻そうと、精神的に焦りに繋がったようです。それでも10km付近でペースは落ち着き、余裕も感じられるようになりました。さらに、15km辺りまではレースペースでの快調な巡航が続きました。

<17kmの失速で浮き彫りになったmasaomi_mの課題>

masaomi_mさんが主に取り組んだ練習は、10km〜15km以下のペース走や、距離の短いスピード・トレーニング。しかし、週末にあまり時間を作ることができず、ほとんどロング走が出来なかったようです。そのため「自分の距離は15km」という感じになっていて、レースでもこの辺りから心理的に不安になっていました。それにともない、ペースも徐々に落ち始め、さらに17kmを過ぎた辺りから5’20”まで落ちたと言います。

「何が足りないかそこで分かりました。心肺は余裕があるんだけど、脚が動かない。あとでガーミンを見て分かったことは、そこから心拍数がガクっと落ちているんですよ。脚がボトルネックになって遅くなっちゃったから、そこから(身体も)寒くなってしまった」

今回のレースで見えてきた課題は、筋持久力の強化。そのため、次の長野マラソンに向けては、積極的にロング走を行い、スタミナ強化に重点を置きたいとのことでした。

<4月の長野マラソンに向けて>

最後に千葉マリンマラソンまで応援頂いたみなさま、ありがとうございます。OYMRCの次なる目標は、4月15日の長野マラソンです。今回は脚の不調のため、大事をとってお休みしたdaiskeyさんも回復したらまた練習を再開する予定です。そして、今回のハーフマラソンで得た自信と、課題を活かして、次のシーズンを楽しんで走りましょう。

(文 肥後徳浩)

【OYM running club アーカイヴ】
#01 ケガなく、楽しみながら走るために
#02 自分に合ったペースで
#03 ジョギングとペース走
#04 ウィンドスプリント
#05 シンスプリントの予防
#06 自然の中を走ろう〜トレイルランニング〜
#07 ビルドアップ
#08 インターバル Ⅰ
#09 変化走 I
#10 目標タイムとタイムトライアル
#11 レースペース走
#12 レースに向けた調整(1)テーパリング
#13 初レース当日の過ごし方