効果的なトレーニングをするには、まず自分を知ることから。
自分の身体能力を客観的に測って、弱い部分を強化するためのトレーニングを紹介する「大人の体力測定」。第五回は、一生涯の身体能力に重要な意味を持つ脚筋力に注目しました。

テーマ:体力低下のものさし、脚筋力の測定
用意するもの:椅子1脚

測定方法
①椅子に浅めに座り、片足を床から軽く浮かす
②もう片方の足だけで椅子から立ち上がる努力をする
③反対の足も同様に行う
④この時の立ち上がり方の状態で脚筋力を判断する

評価
非常に良い ・・・・両脚とも反動を使わず、グラつかずに立てる
良い    ・・・・グラつくが、両脚ともに反動を使わずに立てる
普通    ・・・・片方は反動を使わずに、もう片方は反動を使えば立てる
努力が必要 ・・・・両脚とも、反動を使えば立てる
悪い    ・・・・片方は反動を使えば立てるが、もう片方は立つことができない
非常に悪い ・・・・両脚とも立つことができない

体力低下のものさし、脚筋力の測定
運動機能をつかさどる骨、関節、筋肉は、年をとるにしたがってさまざまな老化現象を引き起こし、日常生活に支障をきたしていくものです。そんな加齢の影響が不可避な身体能力に中でも、特に歩行能力の低下に直結する脚筋力は重要な意味を持ちます。
onyourmarkのユーザーには、極端すぎる例かも知れませんが、デスクワークがメインの仕事につき、食生活にたいして気を配ることなく、運動不足の生活を送るとします。
日々身体を動かすことがないので、脚筋力は徐々に低下、そして不活動が原因で肥満も進み、脚筋力低下と反比例するように体重は増えていくばかり……。
その結果、体重を支えることが困難になるため、ますます階段を昇ることが億劫になってエレベーターを多用し、外出して歩き回ることを避けるような生活スタイルに。
脚筋力は加速度的に退化し、ある日、ちょっとバランスを崩しただけで体が支えられなくて転倒して大ケガをしてしまう、なんていう負のスパイラルも、あり得ない話ではないのです。

脚筋力とは下半身の総合力である
脚筋力というとたいていは「太ももの筋肉=大腿四頭筋」という認識を持たれがちですが、そこに大きな誤解があります。
大腿四頭筋はあくまで「膝を伸ばす」ための筋肉。人はその筋肉だけで立っているわけではないのです。
以下に椅子から片足で立ち上がる時に必要な筋肉をあげると、

曲がっている膝を伸ばす        → 大腿四頭筋(大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋)
曲がっている股関節を伸ばす      → 大臀筋 ハムストリングス
膝が外側にぐらつかないように固定する → 内転筋
膝が内側にぐらつかないように固定する → 中臀筋 大腿筋膜張筋

これ以外にも、まだまだ複数の筋肉が関係しています。
これらの筋肉を総動員して、より安定的に力を発揮することが脚筋力には重要です。
つまり、ただ単に太ももの筋力が強いというだけでなく、下半身が総合力を発揮して、グラつかず、安定した状態で筋力を発揮できることが大切であり、特にスポーツの動作を行う際にはこの総合力という部分が重要になるのです。
つまり、大腿四頭筋だけをトレーニングしているだけでは不十分、スポーツ動作を高めるためには、上記の筋肉を総合的に鍛えるトレーニングが有効になります。

改善エクササイズ

ステップランジ&キックバック
①片足で立ち、グラつかないようにコントロールする
②挙げている足を大きく前に踏み出し、踏み込んだ足の膝が90度に曲がるくらいまで腰を落とす
③上半身は前傾しないようにキープして1秒ほど耐える
④踏み込んだ足で今度は地面を強く蹴って、もとのような片足立ちに戻る
⑤完全にもとの位置にもどって、グラつかない状態を3秒ほど維持できたらまた踏み込む
⑥上記を10回繰り返して、反対足も同様に行う。3セット行う

ポイント
①片足立ちの時にグラつかないようにコントロールすること
②踏み込んだ足の膝がグラつかないようにコントロールすること
③踏み込んだ時に、上半身は起こしておくこと(前傾しないこと)

今回紹介したような、簡単な改善エクササイズでも、脚脚力は向上します。
あとは普段の生活の中でも、1駅分歩くとか、なるべく階段を使うとか、身体を動かすことを心がけて、いつまでも健康的な身体を保ちたいものですね。

(監修 清水忍/イラスト atsushi ave)

【大人の体力測定アーカイブ】
#01 ハムストリングスの柔軟性
#02 上半身のバランスを司る広背筋の重要性
#03 身体のコントロール能力を確かめよう
#04 パフォーマンス向上&肩こり解消にも!肩周りの柔軟性