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憧れのバレエダンサーの身体を手に入れる!
「バー・オ・ソル」を体験!

編集部女子チームがカラダを張って、話題のトレーニングをレポートする「あのトレーニングをやってみた」。今回は床で行うバレエレッスン、「バー・オ・ソル」を体験しました!

女性誌やテレビで話題のあのレッスン

この連載を始めてから、面白そうなトレーニングを雑誌やテレビでチェックするようになりましたが、最近、女性誌や情報番組で目にするのが、このバー・オ・ソルです。
私の記憶にあるのは、優雅なクラシック音楽が流れる中、床に寝そべった女性たちが、爪先をピンと伸ばして、足を上げ下げしている映像。そこに、「ゆるやかな動きだからこそ、身体にしっかり効いて、バレエダンサーのようなプロポーションになれるんです」というナレーションがかぶさったような。
床に寝転がったエクササイズで、バレリーナ体型になれるなんて!と、お茶の間気分でさっそく体験レッスンに伺ったのが、バー・オ・ソルを始めて25年、ご自身も振付師・現役ダンサーとして活躍する佐藤健司先生のアトリエです。

まずは身体のゆがみをチェック

「まずは、自分の身体の特性を見直して、正しい動かし方を会得してからグループレッスンを受けた方が効果的ですよ」というアドバイスにより、この日はパーソナルレッスンを体験。
エクササイズの前に、まっすぐ立って身体のゆがみを見てもらいます。
ここで皆さんも今すぐできるゆがみチェック。靴を脱ぎ、かかとを閉じて爪先を揃えた位置から、かかとを軸に爪先を開きます。わたしの場合、右の爪先よりもひっこんだ位置に左の爪先がきたのですが、それは左足に重心を置くクセがついているから。バランスのいいバレエダンサーは、かかとを軸に左右均等に爪先が開くそうです。
他にも、わたしを含め一般的な成人の骨盤の骨のでっぱりは、身体の正面にありますが、トレーニングを積んだバレエダンサーの肉体は骨盤がしっかり立ち、骨盤が開くことで身体の横にでっぱりがくるそうです。
そしてそここそが本来、骨盤があるべき正しい位置。人間は、生活している間に自分の楽な姿勢を取ったり、クセのある動きを重ねることでどんどん身体がゆがんでいきます。その自分の身体のゆがみや特性を知って、本来あるべき姿を取り戻すことが、バー・オ・ソルのメソッドでもあるんですね。

予想外のハードさにイタタタタ!

自分の身体のクセを知ったところでさっそくレッスン開始。
バー・オ・ソルはフロアバレエとも呼ばれ、簡単に言ってしまうと、バレエのバーレッスンを床の上で行うもの。立って行うバーレッスンは、身体の軸がぶれたり、手足がぐらついたりと、初心者には難しいものです。その点、バー・オ・ソルは、床に横たわることで、身体の軸が定まりやすく、正しい動きをとりやすくなるというメリットがあるそう。

まずは床に仰向けに寝転んで、手足をまっすぐに伸ばします。
要はバレエの理論に基づいて、立った時のまっすぐな基本ポーズを寝そべった状態で再現するのですが……、ここで思ってもみなかった、先生からの容赦ない力技が!
「まず骨盤の位置はここ、はい、肩甲骨を上げて、肘はまっすぐ、かかとはこっちにこう!……」と言いながら、それぞれの部位をつかんで、思いっきりひっぱりだしたり、全力で床に押さえつけたり。
特に重心のかけ過ぎで足の甲に埋まってしまっているという、わたしの左足のかかとをひっぱりだしたときには、思わず「痛っ!イタタタタ!」と悲鳴を上げてしまいました。
ここでにこやかな笑顔を浮かべたまま、佐藤先生が一言。
「強制的に身体を開かせないと、身体は変わっていきませんよ」
ははっ、そりゃそうですよね。楽に寝そべっているだけで身体にいいワケはないですよね……。
とまあ、どうにか先生の言う正しい姿勢になったところで、次はゆっくりと手足を曲げたりのばしたり、バレエの基本的な動きを行います。

シンプルながらも奥深いバレエの動作

バレエ音楽が静かに流れる中、「アンドゥトゥワッ」というカウントや「タァンジュ(伸ばす)」「フレェックス(曲げる)」という先生の声に合わせ、床に足を沿わせて開いたり閉じたり、足の甲をまっすぐにしたまま曲げたり伸ばしたり。これは確かに、とてもシンプルな、誰でもできる身体に優しい動きです。
ただし!
ちょっとでも気を抜いたり、ムダなところに力が入ったりすると、これまた容赦なく先生の「ノーン!」という声が飛び、爪先をしっかり握られたまま、ほぼ力づくで正しいフォームに矯正されます。
また、佐藤先生によると、バー・オ・ソルでは、骨盤を正しい位置に立てるという他に、おへその辺りの中心線を意識するというのがあります。つまり下腹にぐっと力を入れて、お腹を常に引き上げた状態をつくるのですが、これがピラティスでいうところのスクープ(腹部をぐっとえぐった状態)と同じでキツイキツイ!
60分のレッスンが終わる頃には、全身の筋肉を使ったあとの疲労感で、逆にすっきりリフレッシュした気分にさえなりました。

始めるのに遅すぎることはなし!

後日、グループレッスンを見学させてもらったのですが、クラシック音楽が流れ、優雅な雰囲気なのはテレビで見たのと同じでしたが、生徒さんの身体を開かせるために、先生は全力で身体の動きを正し続け、筋肉をプルプルさせながらレッスンを受ける生徒さんの額には、みなさん汗が滲んでいました。
それにしても、グループレッスンに参加していた方々は、本当に姿勢がキレイ。佐藤先生によると、週に1回、3ヶ月くらい通えば、だんだん身体は開き始めてくるそうです。
確かにこれを続けていけば、柔軟性や腹筋・背筋の筋力が強化され、身体能力は確実に高まりそう。
始めるのに遅過ぎるなんてことはありません。正しいメソッドを学んで、バレエダンサーのようにしなやな身体を手に入れられるバー・オ・ソル、みなさんもぜひ体験してみてください!

今回のメニュー
バー・オ・ソル体験レッスン(60分)5000円
Atelier C.N.佐藤健司
http://home.b00.itscom.net/noir/barre.html

(イラスト 鈴木仁/文 小矢島一江)

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