名前:ロングトレイルという冒険「歩く旅こそ」ぼくの人生
著者:加藤則芳
発行:技術評論社
発売日:2011年9月5日
ページ数:231ページ
価格:1,580円(税抜)
関連のスポーツ:トレッキング

頂を目的にするのではなく、長いトレイルをまるで物語を紐解くように歩むロングトレイル。その魅力を日本に伝えてきた第一人者が加藤則芳さん。アメリカ自然保護の父ジョン・ミューアの研究者としても知られ、1995年に一ヶ月をかけて、そのジョン・ミューアの名を冠したジョン・ミューア・トレイル340kmを踏破。その様子は『ジョン・ミューア・トレイルを行く-バックパッキング340キロ』(平凡社,1999)として刊行されました。

壮大な自然の魅力に溢れたジョン・ミューア・トレイルに対して、今回ご紹介する『ロングトレイルという冒険』で中心になるエピソードは、標高が低く人間臭いアパラチアン・トレイル3500kmの行程。アメリカ開拓史において、西へ向かう人々を阻んだアパラチア山脈は、そこに滞留する人々によっていくつもの集落を生み出し、それがアメリカの原風景となったといいます。

加藤さんは、そのトレイルを南から北へと半年をかけて踏破します。その過程で描かれるのは、トレッカーたちにそっと補給物資を置いて行ってくれる地元の“トレイル・エンジェル”との出会いや、お互いをトレイルネームで呼びあうトレッカーたちとの交流など、自然を通して結びついた人々の魅力。トレッキングを楽しむ方だけでなく、極上の物語を求めている方にも読んで欲しい一冊です。

(写真 鈴木泰之 / 文 onyourmark編集部)