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人生を100倍楽しく生きるための、kazuya流ヨガのススメ

ヨガ未経験者の多くが感じること。「あんなアクロバティックなポーズ、到底できないでしょ」
ヨガ経験者のビギナーなら誰もが感じること。「アーサナ(ポーズ)がうまくできないのはどうして?」

未経験者の方。
いえいえ、ヨガには静かでかすかな動きも多く、そうしたアーサナにも体内に活力をみなぎらせる効果はあるのです。

経験者の方。
どこをどう意識するのか体の感覚を理解し、考えるのではなく「感じとる」ことを目標に動いてみましょう。

ここではアシュタンガヨガのkazuya先生を迎え、未経験者の方でもトライできるシークエンスを月に一本ずつご紹介。

さらに毎週、それぞれのシークエンスでポイントとなるアーサナをとりあげ、詳しく解説していきます。
一ヶ月の間一つのシークエンスに取り組むことで、少しずつレベルアップすることを目標にまずは呼吸と体のすみずみにまで、意識を向けてみましょう。

アーサナと呼吸の調和

というわけで初回のレッスンは、ご存知「太陽礼拝」。
その前に、ヨガを行うにあたっての基礎知識を。まずアーサナ。
アーサナはすべての神経、筋肉にエナジーを与えるように作られており、またどのアーサナにもそれぞれ独自の役割があります。
アーサナとはサンスクリット語で「とどまる」「いる」などを意味します。
健康で強靭な肉体を保つため、そして名前の通り、ただそこに「いる」ことだけで生まれる心の平安を得るために。アーサナは心と体のエクササイズなのです。

そしてもう一つ、ヨガに欠かせないもの。それがコントロールされた呼吸。
初心者は「吸う」ことに意識を向けがちですが、筋肉や間接の緊張をゆるめ体をほぐすのは「吐く」ほう。
最後まで「吐ききる」ことを意識すれば、自然に息は入ってきます。
そして呼吸と体の動きを合わせること。例えば前屈のポーズであれば、息を吐きながら前屈、吸いながら元の姿勢に戻れば、一連の動きはずっとスムーズに行えるのです。

kazuya先生いわく、
「息を吸う時は、小さな空気の粒ひとつひとつが筋肉の間に入っていくようなイメージを持って行っています。体の中で痛みを伴う部位があれば、そこに向けて空気の粒を送り込む。日々こうした呼吸の鍛錬を行っていれば、インナーマッスルや小さな筋肉も意識することができるようになります」

太陽礼拝の実践に際して

太陽礼拝は、ヨガの中で最も基本的なシークエンス(連続するアーサナ)と言われています。
太陽礼拝がすべてのヨガの基本と言われるのは、このシークエンスの中に様々なアーサナに通じる体の使い方、「基本のき」とも言うべき要素が詰まっているから。

「ヨガのアーサナは、時が止まることがないのと同様に、積み重なって流れていきます。シークエンス、それは単なるポーズの連続ではなく、一つの動きから派生する次の動きへの滑らかな『流れ』。ヨガでは気の流れ、エネルギーの流れ、体内の血液の流れなど、一連の流れを重視しています。呼吸に体の動きをぴったりと合わせ、体の内外の流れを感じてみましょう」

アーサナを始める前に、まず体のどこにどのような力が働くのか、意識を向けてみましょう。

そして自分の体が大地にしっかりと根を張っているような感覚を忘れずに。
次に、ゆっくりと穏やかな胸式呼吸を心がけましょう。胸式呼吸は交感神経を優位に刺激します。

経験者は、声帯を緊張させるウジャイ呼吸(注釈1)にトライしましょう。ウジャイ呼吸も活力をアップさせる呼吸法です。そして常に「呼吸先行」を心がけること。最初に呼吸、次にアーサナ。もし呼吸が一定でなくなったら、いま行っているアーサナに無理があるということ。決して無理をせず、「心地いい」と感じるポイントで留める勇気を持ちましょう。


初回は太陽礼拝AとB、ふたつのシークエンスを動画で紹介しています。基本の太陽礼拝Aをマスターしたら、太陽礼拝Bにトライ。

太陽礼拝Aとの違いは、腕を上に伸ばすポーズで腰を沈めた椅子のポーズになること、犬のポーズの繰り返しの中に英雄のポーズが含まれること。
連続するアーサナも多くなりますが、気持ちよく呼吸を続けながら体で覚えていきましょう。

ヨガのレッスンに鏡は不要!

もう一つ、kazuya先生からアドバイス。
「スポーツジムなどでは鏡を見ながら自分のアーサナをチェックすることができます。ですが、鏡に映る自分のポーズに気をとられると、フィジカルな鍛錬に陥ってしまい瞑想という概念からかけ離れたエクササイズになってしまう。
視覚に頼らず、自分の体が今どのようなポーズをとっているのか、五感をフルに活用して感じとる訓練を行いましょう」

さらに、

「ヨガではすべてのアーサナのときに目線を置く場所が決まっていて、それを「ドリスティ」といいます。動画のなかでは、常に身体の中心を意識できるように僕の方から『鼻をみて』『(手の)親指をみて』と声がけをしています。意識して取り組んでみてくださいね」

ところでkazuya先生、ヨガの最終的な目標って何でしょう?
「それは人それぞれですが、僕の場合はどんなことがあっても幸せだなあって感じるメンタリティを維持すること。不思議なことにたとえイヤなことがあったとしても、呼吸を繰り返すうちに『ご機嫌』な境地に達せられるんですね。
チャクラも開いてくるから、ヨガを始めると表情はもちろん、全体のムードも柔らかくなりますよ」

呼吸でご機嫌になれば、出会う人みんながご機嫌になるというkazuya先生。
その境地に達するために、まずは太陽礼拝。太陽に向かい、体内の空気をすべて入れ替えるイメージで。人と比べるのではなく、自分のペースで、一歩ずつ。

注釈1
ウジャイ呼吸:声帯を緊張させながら、鼻から空気を吸って胸を膨らませ鼻から空気を吐いて胸を萎ます胸式呼吸法。気道を細く長く引き伸ばし声門を開くことで生じる、空気の摩擦音に特徴がある。

kazuya/柳本和也
Udaya yoga studio 主宰、suria アンバサダー。ライフワークであるサーフィンを通じて、バリ島にてヨガと出合う。帰国後、アシュタンガヨガの権威であるケン・ハラクマ氏に師事。2010年、インド・ゴアにてRolf & marciに師事。都内および神奈川県を中心にレッスンを行い、各種イベントやワークショップにも積極的に参加している。
UNDER THE LIGHT YOGA SCHOOL
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Kazuyayoga

【ヨガをはじめよう アーカイヴ】
#01 太陽礼拝 A / B

【正しいヨガポーズ アーカイヴ】
#01 椅子のポーズ(ウトゥカタアーサナ)
#02 四肢で支える杖のポーズ(チャトランガ・ダンダアーサナ)
#03 上向きの犬のポーズ(ウルドゥヴァ・ムカ・シュヴァナーサナ)
#04 下向きの犬のポーズ(アド・ムカ・シュヴァナーサナ)
#05 伸ばした三角のポーズ(ウッティタ・トリコナーサナ)
#06 ねじった三角のポーズ(パリヴルッタ・トリコナーサナ)
#07 側面を伸ばすポーズ
#08 フロント・ランジ
#09 三日月のポーズ(アンジャネーヤーサナ)
#10 ねじって体側を伸ばすポーズ前編(パリヴルッタ・パールシュヴァコナーサナ前編)
#11 ねじって体側を伸ばすポーズ後編(パリヴルッタ・パールシュヴァコナーサナ後編)
#12 脇腹〜側面をストレッチするポーズ(パールシュヴォッタナーサナ)

(撮影 松田正臣/文 倉石綾子)