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「よく噛んで食べれば太りにくい」というよく聞くフレーズを科学的に調査したレポートがDailymailに掲載されていました。
 
研究は中国のハルビン医科大学の研究者がAmerican Journal of Clinical Nutritionに発表したもので、10代後半~20代の16人のスリムな男性と14人の肥満男性を集め2つの実験を行っています。
 
【実験1】:
肥満の男性とスリムな男性の咀嚼の方法を比較
 
ポークパイを渡し、口に運んで飲み込むまでを隠しカメラで撮影し、噛む回数をチェック。
結果は、双方ともに噛むスピードこそ同じだったものの、肥満男性の方が飲み込むスピードが圧倒的に早いことが判明。
 
【実験2】:
別のポークパイを渡し、15回噛んで飲み込む、40回噛んで飲み込む、2つのパターンを比較
 
結果は、体格の差に関わらず、回数多く噛んだ時の方が、11.9%食事量を減らすことができることが分かりました。
また、食後90分して行った血液検査によると、消化器系内を循環する「グレリン」(以前の記事『ダイエットのリバウンド 原因は意志の弱さにあらず?』にも登場しましたね)という飢餓ホルモンが、噛む回数を増やすと減ることも分かりました。長い時間噛むことは、脳に「お腹がいっぱいだ」というシグナルを長い時間伝えることになり、その結果、食べ過ぎを防ぐ効果があると言えるようです。
 
同研究では最終的に、「長い時間をかけ、よく噛んで食べることは体重増加の問題に取り組むための、シンプルでとても効果的な方法」と結論付けています。
 
食の欧米化に伴って柔らかい食物が増え、日本人の咀嚼回数は、なんと戦前の約1/2にまで減ってしまっているんだとか。「よく噛んでゆっくり味わって食べなさい。」昔、お母さんに口をすっぱくして言われていたことを思い出して、今日のご飯から、よーく噛んで頂きましょう。

(文 佐藤美加)