2011.11.07 - 02:50

自転車版マラソンイベント GRANFONDOの魅力

趣のある町々をつなぎ、絶景の中を走り抜ける自転車版マラソンイベント“GRANFONDO”(グランフォンド)。自転車の本場イタリアで誕生し、今では日本各地でもグランフォンドの名を冠した大会が多く開催されるなど、その走る「楽しさ」は年を追うごとに人気上昇中だ。今回、イタリアの人気大会『ラ・ピナレロ・サイクリングマラソン』、さらに日本屈指の絶景コースを走る『美ら島オキナワセンチュリーラン』『グランフォンド八ヶ岳』の3つのロングライド大会の模様を通じて、その魅力に迫る。

興奮のグランフォンド。自転車の楽しさがここに集う

GRANFONDO(グランフォンド)には、自転車を走らせる“楽しさ”すべてが詰まっている と言っても過言ではない。 イタリア語でグラン(大きく)+フォンド(移動する)という言葉の通り、距離150~200km程度、2~3つの上りコースを含む累計標高差2000~3000mという、かなり走り応えのあるルートが設定されているロングライドイベント。平地・上り・下りなど様々なシチュエーションの中を、多くの人と共に時に競い合い、時に協力しながら進んでいく。先頭はレースのように順位を競い合い、後方のライダーは上りコースでのタイムを測ったり、景色を楽しみながら完走を目指していく(先頭グループが順位を競うのはイタリアの場合。交通規制を行わずに実施される日本の大会ではすべてのライダーが完走を目指すことになる)。それぞれの目的・体力・レベルに合った走りで、誰でも楽しむことができる点は、マラソンイベントをイメージすれば分かりやすいかもしれない。

また、多くの大会では長距離コースの“グランフォンド”だけでなく、中距離コースの“メディフォンド”も用意され、初めて自転車ロングライドに挑戦する人にもフレンドリー。さらに、地元の名産を試食しながら走る“グルメフォンド”コースを設定している大会もあるので、家族やカップルで楽しむこともできるのだ。

グランフォンドでは様々なシチュエーションを走り抜けるため、上り・下り・平地、さらに集団で走るための技術も必要となる

自転車を楽しむのに言葉はいらない。ただ仲間と走ればいい

アルプスに近い北部地域を中心に多くのグランフォンドが開催されている本場イタリア。なかでも高い人気を誇るのが、イタリアの名門バイクブランド“ピナレロ”が主催運営するグランフォンド『ラ・ピナレロ・サイクリングマラソン』(毎年7月中旬開催)だ。

スタート&ゴールは、北イタリアの古都トレヴィーゾ。城壁内には歴史的な建物が立ち並び、その間を縫うように水路が流れる美しい街。その旧市街地の中心に位置するシニョーリ広場から、歴史的な街に包まれるようにして走り出していく。グランフォンドの本場イタリアにおいても、人々が生活を続ける街の中心地から走り出し、城門を抜けてゴールする大会は少ない。石畳から伝わる衝撃を身体全体で感じ、城門をくぐり抜けた瞬間の高揚感は格別だ。イタリアの歴史が目の前に飛び込んでくる感動こそ、この大会の魅力のひとつであると言える。

また、数千人が集団となりゴールを目指す一体感も、この大会から得られる特別な感動である。集団走行に慣れているイタリアのサイクリストの中に入れば、それまでに体験したことのないような速度で走っている自分に気付くだろう。イタリアのサイクリストと会話するのに、言葉はいらない。集団の列に入れてもらったら、軽く手をあげるだけでいい。それだけで気持ちが伝わり、笑顔がこぼれる。それだけで、自分もイタリアの自転車文化の一部になれるはずだ。

さらに、エイドステーションでは、地元のおばちゃんや子どもが、パニーニなどを用意して、笑顔で迎えてくれる。毎年実施されている日本からのオフィシャルツアー参加者からは「どんな豪勢なイタリア料理よりも、あの味が最高だった」という声も少なくない。その美味しさの秘訣は、何と言っても人々の温かな気持ち。イタリアの底抜けに明るい笑顔に包まれた時、リアルなこの国の魅力を肌で感じることができるのだ。

2012年のオフィシャルツアー開催も決定。詳細はピナレロファンサイト“ピナクラブ”サイトでチェック可能

日本の絶景をグランフォンドで味わい尽くす

しかし、その魅力は日本にいても十分に味わうことができる。2012年1月15日に開催される『美ら島オキナワセンチュリーラン』は、名前こそグランフォンドと名付けられていないが、長距離コース(距離160km)、中距離コース(距離100km)の他にスイーツコース(距離50km)も設定され、それぞれのレベル・目的に合わせて楽しむことができるロングライドイベント。すべてのコースの昼食には沖縄料理が振る舞われるなど、その地域の絶景と文化を味わえるという点において、おすすめの自転車版マラソンイベントであると言える。

さらに、2012年9月に第4回大会が予定されている『グランフォンド八ヶ岳』は、前述のピナレロ社の完全サポートで、日本にいながらにして本場グランフォンドの雰囲気を味わえる大会だ。上り・下りの激しいコース設定ながら、その絶景と走り切った後の格別な達成感を味わうため、ビギナーから上級者まで多くの人が参加しゴールを目指す。

日本各地で、この他にも多くのグランフォンドイベントが開催されている。ハードなコースに挑むのもよし、完走を目的に景色を楽しむのもよし。自分の楽しみ方に合わせてグランフォンドを走り抜けよう!

さらに、エイドステーションでは、地元のおばちゃんや子どもが、パニーニなどを用意して、笑顔で迎えてくれる。毎年実施されている日本からのオフィシャルツアー参加者からは「どんな豪勢なイタリア料理よりも、あの味が最高だった」という声も少なくない。その美味しさの秘訣は、何と言っても人々の温かな気持ち。イタリアの底抜けに明るい笑顔に包まれた時、リアルなこの国の魅力を肌で感じることができるのだ。

海の上を走る道や、マングローブ林の横を抜ける絶景コースが設定された『美ら島オキナワセンチュリーラン』

『グランフォンド八ヶ岳』この大会からグランフォンドの魅力に目覚める人も多いという

星野知大
1976年1月31日生まれ、東京都出身。
サイクル&ナチュラルライフ コーディネーター・ライター。中学生の頃に出会った自転車の魅力にはまり、現在まで日本・ヨーロッパ・アメリカ各地を自転車旅で巡る。また大学時代から東京の森において職人の元で林業修行を行い、東京農工大学大学院に進学して自然環境保全学を専攻(中退)。その後、雑誌編集・ライターを経て、現在では代表を務める(株)ティンバー・プラネットにおいて「ラ・ピナレロ・サイクリングマラソン」ツアーや「女性向けツーリング&トレッキング」などの企画運営なども行っている。
●「ラ・ピナレロ・サイクリングマラソン」ツアー詳細はhttp://pinaclub-japan.com/でチェック