トレーニングの基本原則のひとつに『個別性の原則』という項目があるのをご存知ですか? これはトレーニングをする際には、自分に合ったトレーニングをしましょうという当たり前のこと。

でも、わたしたちは「自分」のことをどれくらい知っているのでしょう。
自分の身体は硬いの? 柔らかいの? 自分の筋力って人並みにあるのかな?

何となくは感じていても、自分の身体能力ってなかなか客観的に見ることができる機会は少ないですよね。

そこで、onyourmarkではこの『大人の体力測定』をやってみることをオススメします!

効果的なトレーニングをするには、まず自分の身体を知ることから。弱い部分を知って、強化することでバランスの良い身体を作りましょう。

テーマ:直立二足歩行の要!ハムストリングスの柔軟性
用意するもの:コイン2個  20cm以上のメジャー

①床の何かの目印となるところ(ひもなどを置いても良い)にかかとの先端を合わせて
 足を伸ばして座る。
②左右の手の指先でコインをそれぞれ持ち、膝を伸ばしたままで前屈し、両手に持って
 いるコインをできるだけ前屈した先のほうに置く。
③コインを置いたままで計測を終了し、かかとに合わせた目印からコインまでの距離を
 メジャーで測る。左右の手で置いたコインのうち、目印から遠いほうのコインまでの
 距離で判断する。

測定方法の注意点
①5秒間静止
 反動をつけて前屈してしまうと、正確なデータが取れないだけでなく、測定途中に腰
 痛を発生させてしまう可能性も。静止できるところで測定しましょう。
②膝を曲げない
 膝を曲げてまで良い成績を出しても意味がないので、ちゃんと膝を伸ばした状態で 
 測りましょう。

測定結果の判断
かかとの目印までコインが届いていない場合を「マイナス」
目印よりもコインが遠くにある場合を「プラス」とします。

マイナス20cm以上       → 非常に問題あり 要注意
0cmからマイナス20cm未満  → 問題あり
0cmからプラス20cm未満   → 良好
プラス20cm以上        → 非常に良好

「大人の体力測定」、第一回目に取り上げるのは「ハムストリングス」です。
いわゆるもも裏の筋肉の総称ですね。ちなみに語源は「もも肉のひも」。

ハム作りの工程で、豚のもも肉をぶらさげるために、この筋の腱が使われたことに由来しているとか。ハムストリングスと聞いて、ハモンセラーノの固まりを思い浮かべちゃう食いしん坊の方も、間違いじゃなかったようです。

ハムストリングスは働き通し

この測定でわかるのはハムストリングスの柔軟性です。

図で見るとわかるように、ハムストリングスは骨盤(股関節)と膝関節の二関節にまたがった筋肉群。つまり上下の関節にハムストリングスの端と端がしっかり繋がっているので、人間は構造上、股関節と膝関節を同時には十分に働かせることができないんです。

にもかかわらず、スポーツ選手は股関節と膝関節を激しく動かすために、結果としてこのハムストリングスを酷使して、肉離れを起こしたりするんですね。

また、一般の人にとってもこのハムストリングスはとても重要。なぜなら人はみな直立二足歩行をする生き物ですが、この歩くためにひざから下の脚部分を引き上げるという役割を、ハムストリングスが担っているからです。

人は筋を収縮させることで身体を動かしていますが(つまり、歩くということはハムストリングスを収縮させているということ)、筋は収縮を繰り返した後に放置すると、そのまま短縮した状態で定着してしまいます。

そして多くの人はそのまま放置してしまい、ハムストリングスは柔軟性を低下させていくのです。スポーツをしていなくても酷使されているハムストリングスがどんどん硬くなっていくのは当然のことというわけなんです。

ハムストリングスの柔軟性が低下するとどうなるの?

ハムストリングスは骨盤の下方先端の坐骨と、下腿を結ぶ筋です。

先ほど解説したとおり、ハムストリングスは骨盤を後方に引き起こす作用をしているため、ハムストリングスが短縮して柔軟性が低下した状態は骨盤を後傾させることとなり、その結果、いわゆる丸腰を誘発することになります。
(もちろん、“ヤクザ映画などで武器を持たずに戦うこと”ではなく、反り腰の対義語としての丸腰ですね)

丸腰は腰部に大きな負担をかけ、慢性の腰痛を発生させる原因となり、場合によっては腰椎ヘルニアにまで発展する可能性もあります。ランニング動作の最中でも常に丸腰のままで走ることとなり、腰への負担は相当なものになるんです。

改善エクササイズ

問題ありの結果となった場合にはエクササイズでハムストリングスの柔軟性を向上させましょう。

①ダイナミックストレッチ・・まず筋を温める
 立位で両手の甲をお尻にあてる。
 左右の膝を交互に曲げて、かかとがお尻の手の平にあたるようにする。
 膝を曲げる時にはその膝ができるだけ床の方(真下)に向いているようにすること。
 左右交互に合計40回程度、連続して行なうとハムストリングスが温まってくる。

②スタティックストレッチ・・温まった筋を伸ばす
 長座で左足はあぐらをかくように膝を曲げて横に倒す。
 右膝を立てて曲げ、両手で足の裏をつかむ。
 右ももと胸を着けた状態から、両手で足の裏をつかんだまま少しずつ膝を伸ばしていく。
 この時にももと胸が離れないようにすること。
 右膝は伸びきらなくて構わないので、ハムストリングスが一番伸びていると感じるところで
 30秒ほど静止する。
 反対足も同様に行う。
 痛みを感じるまで伸ばさない事。反動をつけない事。息は止めず、静かに呼吸を続ける事。

スポーツのパフォーマンスも向上

ハムストリングスの柔軟性が向上すると、下半身の動きがダイナミックになりスポーツパフォーマンス向上も期待できます。また、大きな動きができるようになった結果、カロリー消費も向上し、シェイプアップにも効果的ありです。

よく使い、使ったあとはよく伸ばす事を心掛けたいですね!

(監修 清水忍/イラスト atsushi ave)